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研究所テーマ

有害化学物質の分析法・環境実態に関する研究

土壌汚染に関する調査研究 >>

1 私たちの生活と化学物質

 現在、使用されている化学物質の種類は5万種とも10万種とも言われており、我々の生活は、化学物質の恩恵を受けながら成り立っていると言っても過言ではありません。

 しかし、化学物質の中には、誤った使い方をすると人体や生物に重大な影響を及ぼすものもあります。当所では、このような人体や環境に有害な影響を与える可能性のある化学物質について、環境中の実態調査や排出源の解明を進め、これらの化学物質のリスクを評価する上での有用な資料の作成を進めています。

2 これまでの調査対象物質

 当所では、多摩川や荒川等の都内河川や東京都内湾等、都内の水環境を主なフィールドとし、有害化学物質の汚染実態について調査してきました。

 これまで対象としてきた物質としては、ディーゼル車排出ガスや排ガス中に不完全燃焼した際に非意図的に生成される多環芳香族炭化水素(PAHs)類、船底や漁網へのフジツボ等の付着防止のために塗料等として使われてきた有機スズ化合物、工業用溶剤等に使用される1,4-ジオキサン、撥水、撥油剤や泡消火剤、フッ素樹脂合成の原料等に使用される有機フッ素化合物です。これらの物質について、河川や東京湾の水質試料や底に堆積した底泥試料を分析することで、汚染実態を調査しています。

 さらに詳細な調査として、底に堆積した底泥を柱状に採取し、これらを堆積年代別に分析することで汚染の経年変化を調べたり、下水処理場の流入幹線を遡って排出源を解明したりすることで、有害化学物質について適正な利用と管理を行ううえで有用な資料を作成しています。

  • 水試料の前処理風景
    水試料の前処理風景
  • 下水試料の採取
    下水試料の採取

 調査結果の一例として、「多摩川水系における1,4-ジオキサンの動態調査」について概要を述べたいと思います。河川における1,4-ジオキサンの動態を調べるため、平成17年11月2日と15日に多摩川本川の上流域から中流域までの6地点(永田橋から調布取水堰まで)と、その区間で多摩川に流入する支川(浅川や谷地川など)や下水処理場の放流口で水試料を採取し、分析を行いました。

 1,4-ジオキサン濃度は中流域の立日橋以降から上昇し、流入支川や下水処理場放流水からの影響を受けていることが分かりました。また、1,4-ジオキサン濃度と流量をかけて算出した負荷量に関しては、本川における実測負荷量と、支川や下水処理場放流水からの負荷量を順次積み上げた積算負荷量の値がほぼ一致したことから、本川流入後、1,4-ジオキサンは大半が分解することなく河川を流下し、東京湾へ流入していること、支川及び下水処理場の寄与率は支川からが約25%で、残りが下水処理場を介して流出していたこと等が分かりました(下図参照)。

  • ジオキサンの1日あたりの実測負荷量と積算負荷量
    図 1,4-ジオキサンの1日あたりの実測負荷量と積算負荷量(平成17年11月15日測定分)

学会発表等

2009年
第18回環境化学討論会(日本環境化学会:つくば市)
下水、排水中有機フッ素化合物の分析方法に関する検討

第29回ダイオキシン国際学会(北京市)
ANALYZES OF PERFLUORINATED COMPOUNDS IN SEWAGE AND DRAINAGE

2008年
第17回環境化学討論会(日本環境化学会:神戸市)
都内水環境におけるPFOSの汚染源追跡調査

第11回日本水環境学会年会シンポジウム(日本水環境学会:大阪市)
都内水環境におけるPFOS等の汚染調査について

学会誌投稿

2008年
都内河川における1,4-ジオキサンの動態(環境化学Vol18,No3:日本環境化学会)

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