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国立研究開発法人 国立環境研究所 寺園博士 ヒアリング概要

2020.04.27

寺園 淳 博士(工学) 

国立研究開発法人 国立環境研究所

資源循環・廃棄物研究センター

副センター長

 

 

今後の廃プラスチック市場について、2020年3月10日にヒアリングを実施しました。

 

1. 現状、課題認識

  • 中国の輸入規制の影響で、日本国内ではこれまで輸出できていた廃プラ、雑品が輸出できなくなり、東京以外でもその処理に行き詰っている地域が多いと聞いている。

→ ただし、西日本では低品位の小型家電の多くが不燃ごみとして回収され、破砕・選別などの資源回収も経ずに、埋立されている自治体の例も聞いている。現時点で廃プラスチックの埋立も一部受け入れており、地域によって逼迫度が異なると感じている。

 

 

2. 廃プラの新たな需要先について、望ましい絵姿

  • 今後、RPFの需要が期待できる業種はありますか?

→ 今以上にRPFの受入れ可能な業種や施設の情報を持っていないが、ケミカルリサイクルもマテリアルリサイクルのような高い品位の廃プラでも受入れは可能であり、処理料金を支払えばやってくれる可能性はある。そこにあとどの程度受入余力があるのか聞いてみるのもいいと思う。

 

 

  • 輸出の今後の状況として、バーゼル条約附属書の改正が来年1月に発効されれば、廃プラの輸出量はもっと減るとお考えですか?

→ バーゼル条約附属書の改正で廃プラが条約の対象になることで、日本からの廃プラ輸出量は減るだろう。しかし、来年1月の発効よりも前に輸出相手国の基準は厳しくなっていることも予想される。

 

→ そのため、過去に輸出できていた廃プラでも、品位の低いものほど輸出できなくなる可能性が高いので、国内で取り扱うための対策が必要になるだろう。

 

 

  • 廃プラスチック処理として望ましい絵姿は何だとお考えですか?

→ 日本の廃プラリサイクルは熱回収(サーマルリカバリー)が多く、マテリアルリサイクルの場合でも輸出に頼ることが多かった。リデュースを大前提とするが、できるだけ品位のよいものは国内でマテリアルリサイクルを行い、やむを得ない場合に熱回収にするのが望ましいだろう。

 

→ マテリアルリサイクルが難しくて熱回収が多い廃プラの例として、小型家電由来のミックスプラがあり、昨年より様々な調査を行っている。中国の禁輸後に、日本国内で小型家電由来のミックスプラスチックについて、選別を経た上でペレット化まで行うリサイクル業者が現れ始めている。再生ペレットは材料として中国へ輸出されるものが多いようであるが、選別技術と国内の再生プラスチックのニーズを確認した上で国内での循環を促進することも必要ではないか。

 

 

3. 今後の方向性について

  • 短期的な方向性としては、建廃系の廃プラのように混合物または低品位のものに対して、どういった出口があるのかを考えていく必要がある。容リプラで言えば、無理してマテリアルリサイクルを行う弊害もあるので、排出段階で食品残渣との分別が可能なものと困難なものを生産・利用段階から想定して表示や回収方法を検討すれば、その後のリサイクルの効率はよくなる可能性があるのではないか。

 

 

  • 今回の東京都の調査は有意義であるが、廃プラスチックの循環を考えた場合、排出業種、プラスチックの種類・品位などの解像度を上げた調査ができれば、廃プラスチックの供給、リサイクル技術及びリサイクル材といったマッチングが行えて、手当てすべき部分がより明確になるかもしれない。

 

 

  • 関連して、廃プラのリサイクルを国内で回すためにはユーザーからどういうグレードだったら受け入れられるのか、鉄スクラップ市場にあるような規格が有用だと思う。中国でも輸入に伴う規格作りを行っているようだ。

 

 

  • 長期的には、プラスチックの生産・利用・消費・回収・リサイクルの流れにおいて、必要な質と量を担保した循環の輪が構成できるよう、各主体がそれぞれの役割を果たしていくのが望ましい。リサイクル材の製造者側と利用者側と意識のすり合わせは必要であろうし、消費者の理解と協力もリサイクル材の促進には必要である。東京都などにはそれらの調整の役割も期待されるが、拡大生産者責任の強化や法規制を伴うものであれば国の役割が大きい。