関係者の最新動向

都内E社(金属・プラスチックの混合スクラップを扱う)ヒアリング状況

2020.06.05

1. 廃プラ市場の変化、自社の現状

1.1 1回目(9月時点)

  • 中国の雑品くずの輸入規制により、中間処理のニーズが高まっている。大手商社が中国に輸出していた雑品くずが、一部当社に来ている状況と考える。当社は、処理後の廃プラ等の出す先の処理費の値上げを受け、排出者の理解のもと受入価格を改定した。

 

  • 当社の取扱い品目は金属複合物が多いためその中の金属含有物の価格や、プラ含有量などが処理費もしくは有価買取のベースになる。

 

  • バーゼル法の改定によって、基板が海外から入るようになり、国内の非鉄製錬側も金銀銅さいなどの品位の高いものを受け付ける状況で、低品位のものは受入抑制の方向。

 

  • 遠方に運ぶ場合、近場よりも荷姿などの受入条件、輸送手段(船舶含む)の確保や事前協議の調整で難易度が上がる。

 

 

1.2 2回目(1月時点)

  • 9月時点から状況が大きく変わったということはない。

 

  • 昨年の前半に比べ、新規のお客様からの突発的な受け入れ要求は減ってきた。恐らくは昨年前半時点では出し先を見つけることのできなかった排出者が、出し先を見つけることができたことによるのではないか。

 

  • ダスト(破砕物のくず)について荷受け制限の動きは落ち着いている印象を受ける。

 

  • 国内の非鉄製錬からは、依然、受入制限があり、国内で発生している低品位のものよりも海外の高品位のものを優先する傾向にある。

 

 

1.3 3回目(3月時点)

  • 受入量が減少傾向にある。要因としては、排出事業者の廃棄物輸入規制対策が落ち着いてきたからではないかと考えている。また、昨秋以降の景気の後退や新型コロナウイルスの影響も受けている。

 

  • 受入の処理料金に変更はない。ただし、運搬費や最終処分先の処理費は値上げが進んでいるため、受入価格の値上げも検討している。

 

 

2. 対策と要望

2.1 1回目(9月時点)

(1) 当社の対応
  • 現在、廃プラの再生原料加工、材料加工に向けてバリューチェーン構築を検討中である。

 

(2) 排出事業者への要望
  • 排出事業者には、有害物、危険物、弊社で許可のないもの、ごみ等を入れないよう分別に協力して欲しい。想定しない廃棄物の対応は、工場側で問題が生じ、破砕等の処理ができなくなる。

 

(3) 国・都への要望
  • 再生プラ利用促進に向けた需要者側への誘導策あるいは規制策が必要。

 

  • 国による再生プラの利用目標(数値)の明確化と、具体化の支援が必要である。環境省は「プラスチック資源循環戦略」[1]の中で「2030年までに、プラスチックの再生利用(再生素材の利用)を倍増」としているが、数的根拠が不明確で今後の具体的な施策もよくわからない。

 

  • 欧州CE政策、ISO規格化への対応として、日本における廃プラの重層的な再資源化・処理処分の位置づけの明確化が必要。

 

  • 広域共同海上輸送システム等、地方の産業受け皿への静脈物流コストの効率化が必要。

 

  • 輸出できなくなったプラ、雑品くずなど量は多く、各関係者が12割飲み込めばよいという次元ではないため、需要先の喚起や規制等、一気通貫のリサイクルシステムに対する全体的で中長期的な対応策をとらなければ、いずれ行き詰る。

 

 

2.2 2回目(1月時点)

  • 9月時点と同様。

 

 

2.3 3回目(3月時点)

  • 9月時点と同様。

 

  • 特に、再生プラの利用促進策を検討していただきたい。2018年の統計調査によると、再生プラは供給量に対して国内需要量が小さいそうだ。この状況では廃プラの国内資源循環は進まないと考える。

 

  • 製造側と消費側が再生プラをもっと利用できる環境を作ってほしい。

 

 


[1] 環境省「プラスチック資源循環戦略」2019年5月31日(URL:http://www.env.go.jp/press/106866.html)