関係者の最新動向

第1回廃プラスチックに関する情報共有会議を開催しました

2021.02.18

2020年129日(水曜日)、東京都環境局と廃プラスチック(特にオフィス・商業ビルを中心とした事業系廃プラスチック)を扱う排出事業者(A社、B社)、中間処理事業者(C社、D社、E社)、マテリアルリサイクル事業者(F社、G社)の方々との意見交換を行い、マテリアルリサイクルを進めるための課題解決を目的とした情報共有会議を開催いたしました。
1回では、各事業者の状況把握や課題整理を目的としており、第2回(20212月開催予定)では、より具体的な意見交換を予定しています。

 

 

議事概要

 

<排出事業者のリサイクル状況・課題>

 

(A社 商業施設を主体とする排出事業者)
  • 自主的に分別品目を10数種類に設定しており、保管庫に分別指導員が常駐している。
  • 廃プラスチックは「廃プラスチック」、「ペットボトル」、「発泡スチロール」の3品目で分別している。
  • 「廃プラスチック」としてストレッチフィルムやPPバンド、ビニール袋、傘袋、ハンガー等が排出される。
  • 「廃プラスチック」はフラフ燃料等のサーマルリサイクル、再生樹脂等のマテリアルリサイクルなどで利用される。
  • リサイクル全般の課題として、以下が挙げられる。
    1. 施設単位で中間処理事業者と契約しているため、本部では詳細なリサイクル状況を把握できない
    2. 収集運搬業者が処分業者を選定するため、リサイクル方法の選択ができない
    3. 細かな分別は従業員の負担や保管場所の圧迫を招く
  • マテリアルリサイクルの拡大に向けた課題として、以下が挙げられる。
    1. リサイクラーが不足している
    2. 輸送コストの負担が増える
    3. 廃棄物処理法等の法的要件を確認しなければならない
    4. 施設単位の契約のため、本部からマテリアルリサイクルの選択を指示することが難しい
    5. マテリアルリサイクルに適した品質が分からず、どこまで分別すればよいのか分からない

 

(B社 オフィスを主体とする排出事業者)
  • 分別品目は廃棄物処理法に基づく「廃プラスチック類」としている。例外として、都内の事業用大規模建築物に該当する施設については、「ペットボトル」、「弁当ガラ等」、「その他廃プラ」に分類している。
  • 「廃プラスチック類」として、事務用品(ペン類、ファイル類等)、容器・包装用品、ハンガー、金属と混合しているプラ製品などが排出される。
  • 破砕・圧縮の施設へ全量排出されているが、その後のリサイクル方法は不明である。
  • リサイクル全般の課題として、以下が挙げられる。
    1. 安価で加工性が優れるという観点でプラ製品が作られており、また複雑な構造や金属等を含む製品もあるため、廃棄時に素材を判別することができない
    2. プラ製品の形状や使用方法が多岐にわたり、かさばる
    3. オフィスでの分別意識(例えば弁当ガラを水ですすぐなど)が得られていない
    4. 分別ボックスの増設が困難であり、また清掃員での分別や洗浄は追い付かない
  • マテリアルリサイクルの拡大に向けた課題として、以下が挙げられる。
    1. オフィスから排出される廃プラスチックは大部分が弁当ガラや包装ごみであること
    2. どこまで分別すればよいのか分からない
    3. 異なる収集方法が必要となると会社側の負担となる

 

<中間処理事業者のリサイクル状況・課題>

 

(C社 都内の産廃中間処理業者)
  • 受け入れている廃プラスチックは、工場発生品やオフィス系廃プラ、処理困難物(ベッドマットや金庫など)、移転系廃棄物(デスク、ロッカーなど)である。
  • オフィス系廃プラは輸送コストがかかるため、排出時に分別されたものが収集運搬時にパッカー車でまとめられてしまう(混合廃棄物になる)ことがある。マテリアルリサイクルは難しく、サーマルリサイクル中心となる。
  • マテリアルリサイクルの拡大に向けた課題として、以下が挙げられる。
    1. 複合素材が多く、見た目では単一素材に分別できない
    2. マテリアルリサイクルの分別方法が浸透しておらず、収集運搬時に混合されてしまう
    3. 洗浄や不純物除去、塩素除去に必要な設備投資が高く、コスト高になってしまう
    4. マテリアル施設への搬入が安定しない(荷止めが多い)
    5. 排出事業者ごと、担当者ごとに分別基準が一定化していない

 

(D社 都内の産廃中間処理業者)
  • 受け入れている廃プラスチックは各種包装材、オフィス系廃プラ、発泡材、物流・工場系プラなどである。
  • 再生可能な単一プラスチックはマテリアルリサイクルとしてペレット化される。オフィス系廃プラスチックはRPFに加工される。
  • 家電リサイクルの仕組みは今回の参考になるのではないか。家電やOA機器はリサイクルしやすいように各メーカーが同一素材を使用しているが、食品用包装材は多種多様であり、海外から見るとオーバースペックである。
  • マテリアルリサイクルの拡大に向けた課題として、以下が挙げられる。
    1. 食品用包装材は素材が多種多様かつ積層中心であるため、選別が難しく、リサイクルのハードルが高い
    2. 光学選別機を用いた実証も進められているが、選別には限界がある
    3. ビジネスモデルとして、消費財メーカーが主体となって容器メーカーやリサイクラー、自治体からなる循環型サプライチェーンを組む方法もあるのではないか

 

(E社 都内の産廃中間処理業者)
  • 受け入れている廃棄物は事業系ごみや建設系の軽量物の廃棄物であるため、混合廃棄物に廃プラスチックが入っていることが多い。また、OA機器やオフィス什器も多い。
  • 処理現場での物量感としては、中国の輸入規制により1.5倍近くまで増加し、消費増税によるマイナス要因や台風災害によるプラス要因がある中で、今はコロナ禍により逼迫度合いは解消している。
  • 焼却施設の処理価格は上昇した後も横ばいとなっており、これは適正価格と判断されているためと思われる。
  • マテリアルリサイクルの拡大に向けた課題として、以下が挙げられる。
    1. 軽量物のために物流効率が悪い
    2. 選別の難しさや汚れの多さによりサーマルリサイクルが中心となる
    3. 混入したリチウムイオン電池による保管時の火災が心配される
    4. 品位に関わらず複合素材を何でも再生原料化するのは、リサイクル工程でのエネルギー消費の観点からも非効率である
    5. 水平リサイクルであれば需給バランスが取れるが、カスケードリサイクルではバランスが合わない

 

<マテリアルリサイクル事業者のリサイクル状況・課題>

 

(F社 コンパウンダー)
  • 廃プラスチックを原料として需要家の要求物性に合わせた再生樹脂を製造、販売している。コンパウンド技術と豊富な検査機器をもとに、安全性を担保している。
  • 受け入れている廃プラスチックは工場端材(フィルムやシート)物流資材(パレット、コンテナ)、家電由来、自動車由来、容器類等である。
  • 行政には、廃プラスチックの処理だけでなく、リサイクル材の販売を考慮に入れた処理工法や販売促進を考えてほしい。
  • マテリアルリサイクルの拡大に向けた課題として、以下が挙げられる。
    1. 品質のいい原料は常に品薄状態が続いており、いかに品質の低いものを利用していくかが求められる
    2. 様々な廃プラスチックを混合粉砕して選別するソート方式では、海外の規制に合わないなど使いづらい側面がある
    3. また、ソート方式では原料のトレーサビリティができず、品質保証ができない

 

(G社 コンパウンダー)
  • 廃プラスチックのうちPEPPPSを扱っており、ペレット化、コンパウンドを行っている。
  • 受け入れている廃プラスチックは、容リペレット、自動車バンパー、パレット、廃家電プラスチックなどである。
  • 容器包装プラの工程としては、前処理で破砕し、近赤外線による自動選別や手選別、洗浄、比重選別などを行い、造粒して出荷している。
  • 容器包装プラを扱っているため洗浄工程があり、弁当ガラが若干汚れていても受け入れられる。
  • マテリアルリサイクルは最終的に製品化するものによって品質レベルが分かれる。様々な業界が連携し、カスケードリサイクルによる大きな市場を形成することに取り組んではどうか。
  • ケミカルリサイクルやサーマルリサイクルは海外では納得されないため、マテリアルリサイクルを目指していく姿勢が重要である。
  • マテリアルリサイクルの拡大に向けた課題として、以下が挙げられる。
    1. 量を確保しなければならず、排出事業者での保管場所の確保が必要となる
    2. インフラ事業として、ポストコンシューマー材(使用側で発生する廃棄物)を効率的に集める仕組みが必要となる
    3. 種類が混在している廃プラスチックや多層フィルム材を仕分けられるのか
    4. ケミカルリサイクルやサーマルリサイクルは海外では納得されないため、マテリアルリサイクルを目指していく姿勢が中心に考えていく

 

<意見交換>

 

G社 コンパウンダー)

  • A社及びB社の取り組み内容を伺うと、排出事業者で行える分別は既にできていると感じる。あとはサーマルリサイクルからマテリアルリサイクルに変えるために、量やロジスティクスの問題が出てくると思う。量を集められて効率的な回収ができ、またコストの問題をクリアできれば、マテリアルリサイクルに進められると考えてよいか。

 

A社 商業施設を主体とする排出事業者)

  • まずは3Rの推進や別素材への置き換えを行い、その上で排出される廃プラスチックについて資源循環に乗せることになるが、現状で最適な処分事業者は把握できていない。効率的な収集運搬ができればいいが、どのような観点で事業者を選定すればよいのか知りたい。

 

G社 コンパウンダー)

  • 廃棄物事業(一廃)では行政区域の越境が問題となるが、認められる動きが出てきている。あとは金額と量の問題と考えている。

 

F社 コンパウンダー)

  • 弁当ガラについては、無理してマテリアルリサイクルする必要はなく、サーマルリサイクルできればよいと考えている。それよりも、きちんと回収されることが最低限必要である。
  • 弁当ガラのマテリアルリサイクルを行うとなれば、素材を分けた上で洗浄しなければならない。しかし、洗浄してもにおいが残ってしまうため、サーマルリサイクルがよいのではないか。
  • 一方で、発泡スチロールやPETボトル、PPバンド、ストレッチフィルムは回収しやすく、マテリアルリサイクルもしやすい。マテリアルリサイクルできるものから進めていくのがよいのではないか。

 

E社 都内の産廃中間処理業者)

  • G社からは、量が集まればリサイクルできるといったお話があった。物流の問題とリサイクル技術の問題では、どちらも重要とは思うが、何がボトルネックになっているのか。

 

G社 コンパウンダー)

  • 各店舗で既にきれいに分別されているため、大量に集めて再度選別する必要はないと考えている。現状の店舗を上手く活用して、マテリアルリサイクルを進めていければと考えている。
  • プラスチックリサイクルはインフラ事業と考えている。産廃処分の許可等の法整備も含めて考えていく必要がある。

 

以上