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オフィスビル内飲食店のテイクアウト弁当にリユース容器を使用するビジネスモデルの検証事業への取材part2

2021.03.17

概要

 2020年9月28日に東京都(以下、都)における「プラスチックの持続可能な利用に向けた新たなビジネスモデル」に選定されたLoop Japan合同会社(以下、Loop Japan)の「オフィスビル内飲食店のテイクアウト弁当にリユース容器を使用するビジネスモデルの検証事業」について、公益財団法人東京都環境公社(以下、公社)が、2020年12月11日に公開した取材part1に引き続き取材しました。

 

※前回

オフィスビル内飲食店のテイクアウト弁当にリユース容器を使用するビジネスモデルの検証事業への取材part1

https://www.tokyokankyo.jp/waste-plastic/stakeholder/603.html

 

※オフィスビル内飲食店のテイクアウト弁当にリユース容器を使用するビジネスモデルの検証事業

https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/resource/recycle/single_use_plastics/company.html

 

 

取材内容

 

大規模オフィスビル2か所の飲食店でのテイクアウト弁当をリユース容器で提供される事業内容(以下、弁当事業)について

(公社)

 現時点における進捗状況を教えてください。併せて、12月から、森ビルと三菱地所のテナントビル(各1か所)において飲食店のテイクアウト弁当をリユース容器で提供した件について、実施していた期間を教えてください。

 

Loop Japan

 2020年127日(月)から202123日(水)までの期間のうち、年末年始や緊急事態宣言も踏まえ、約5~6週間実施した。(オフィスビルのため、土日祝日は実施せず)

実施飲食店

 


(公社)

 リユース容器を利用したオフィスビル社員等の反響について教えてください。

 

Loop Japan

 弁当購入者のうち、76%が総合的には「良かった」と回答した。私たちが当初懸念していた容器返却の利便性やリユースの衛生面での懸念についても聞いたが、半数近くの人が特に問題なかったと回答した。

 ただ改善点も判明しており、例えばメニューの豊富さや環境に対する影響について知りたかったという声や、お箸やスプーンまで徹底してリユースを取り入れるべきとの声があった。今後の検討事項にしていきたい。

 


(公社)

 容器が返却されると、購入者には次回購入時に使えるクーポンが配布されるそうですが、具体的にはどのような内容のクーポンでしたか。

 

Loop Japan

 弁当容器の預かり金として、初回購入時に、商品代金とは別に300円をお支払いいただき、容器を返却すると次回購入時に使える300円のクーポンがもらえる。

 


(公社)

 テナントビル2カ所それぞれの弁当容器の回収率を教えてください。また、購入者が持ち帰るようなことはありましたでしょうか。

 

Loop Japan

 大手町、六本木の双方のビルにおいて、容器回収率は100%で、購入者から弁当容器を返却されなかったという事態は発生しなかった。

弁当容器回収BOX

 


(公社)

 本事業で使用するリユース容器について、第1回目で話されている遵守すべき基準を踏まえ、最終的にどのような容器になりましたでしょうか。

 

Loop Japan

 私たちは容器選定にあたり、販売していただいた飲食店でそれまで使用していた弁当容器に近いものを選定した。またLoopのパッケージガイドラインに合わせて、10回以上再利用できる耐久性もさることながら、洗浄施設にも確認して分解する必要のないものとした。

 

   弁当容器                    弁当容器(飲食店提供時)

 


(公社)

 提供したオフィスビル側では、本事業をどのように周知されていましたか。

 

Loop Japan

 今回ご協力いただいたオフィスでは、社内報での周知をされたほか、社員向け掲示板でもTakeout Bento Projectの情報共有や啓発を実施していただいた。またLoop Japanとしても、プロジェクトの実施期間前後に一部のオフィスで環境セミナーなどを実施することで、対象オフィスの皆様への環境意識の向上に協力した。

 


(公社)

 苦労したこと、課題があれば教えてください(オフィスビルでの販売における課題、リユース容器の返却・回収・輸送のスキーム等)。

 

Loop Japan

 現在までに判明している主な課題・改善点としては、以下の通りである。

 ①販売

  容器のバリエーションが限られていた。また、カトラリーと持ち運び用の袋が使い捨てとなることへの懸念があった。

 ②回収

  容器を洗浄するワンステップの手間が生じた。

 ③輸送

  配送効率という点から、容器と蓋を分けて積み重ねた上で回収する必要性がある。

 ④洗浄

  容器は専門業者によって徹底した洗浄が行われていることを弁当販売所などで積極的に伝えるといった、購入者の衛生面での不安を払拭するPRの必要性がある。

 

スーパーマーケット等の小売店の惣菜にリユース容器を使用する事業内容(以下、総菜事業)について

(公社)

 現時点における進捗状況を教えてください。

 

Loop Japan

 2021年215日から28日までの約2週間実施した。

 リユース可能な容器で惣菜を販売し、購入いただいたお客様には使用後、購入店舗に返却。Loop Japanが空き容器を回収・洗浄し、再利用するという仕組みで運用した。

 


(公社)

 どのような場所で実施されましたでしょうか。また、その場所を選定された理由も教えてください。

 

Loop Japan

 日本橋三越本店 本館地下1階食品フロアの一部ショップで実施した。

 現在流通している使い捨てプラスチック容器をリユース容器と入れ替えるというチャレンジングな試みに対し、株式会社三越伊勢丹様が共感し参画していただいた。

 

実施店舗①                      実施店舗②

 


(公社)

 総菜事業で使用した容器の特徴(液漏れしない、料理のにおいが残りづらい、電子レンジで温め可能など)を簡単に教えてください。また、採用するに当たりどのような点に留意しましたか。

 

Loop Japan

 惣菜販売に際しての容器選定にあたっては、弁当同様にLoopのパッケージガイドラインを考慮したのはもちろんのこと、消費者が長時間持ち運ぶことを想定し、密閉性の高い容器にした。

 また、店舗スペースを効率的につかってもらえるために、重ねて収納できる容器を選定した。

 


(公社)

 現時点で、今後の改善点などはありますか。

 

Loop Japan

 密閉性を高めると、洗浄に本体、蓋、フレーム、パッキンに容器を解体しなければならず、手間がかかってしまうこと。密閉性・洗浄効率のバランスをどのようにとるかが難しかった。3月以降、さらなる改善点の洗い出しに向けてお客様の声を収集する予定である。

 


(公社)

 店舗側での量り売り商品での提供状況について具体的に教えてください。(通常のワンウェイ容器と比較したオペレーション等)

 

Loop Japan

 商品提供に際してのオペレーションは以下の通り。

 ①購入代金に預かり金330円を加えた代金をお客様にお支払いいただく。

 ②商品をお渡しする際に、本事業の内容が記載されたカードを付けてお渡しする。

 ③お客様に使用後の容器を軽く水でゆすいでもらった後、購入店舗に返却してもらう。

 ④預り金の返金として、惣菜店で利用可能な金券をお渡しする。

 

                 本事業の案内①         本事業の案内②           容器の返却BOX

 


(公社)

 お客様側における提供容器への反応を教えてください。

 

Loop Japan

 「新しい取り組みで面白そう」、「家にプラスチック容器ごみが増えて困っていたので試したい」というような前向きな意見が聞かれた。概ね、お客様の反応は良かったと聞いている。

 


(公社)

 弁当事業と異なり、不特定多数の方が利用されるかと思いますが、返却にはどのような工夫をされましたか。

 

Loop Japan

 弁当販売とは異なり、購入から返却までに時間を要するため容器の返却を確実に行ってもらうため販売時に、返却に関する案内を記したカードを配布することで、購入からしばらく後でも容器の返却を思い出してもらえるように工夫した。

 


(公社)

 提供した店舗側では、本事業をどのように周知されていましたか。

 

Loop Japan

 株式会社三越伊勢丹様が発信されたニュースリリースを多くのメディアが取り上げ、そのメディア記事等を通じた社内外への周知をされていた。

 


(公社)

 苦労したこと、課題があれば教えてください。

 

Loop Japan

 本事業では、店舗に直接容器を返却する手法がとられている。しかしながら、販売店舗のスペースや人員を考えると、返却された容器を受け取ってから店舗内に長時間保管して置かねばならず、洗浄の徹底等による衛生面の確保に改善点があった。この回収から洗浄までをどのように短く効率的に行っていくのかという点に関しては、今後は改良していく必要がある。

 

全体について

(公社)

 本事業の今後のスケジュールを改めて教えてください。

 

Loop Japan

 弁当事業に関しては一連の日程を終えた。

 一方、惣菜事業は3月半ばまでが回収期限であり、同時に出揃ってくる調査結果も踏まえ、引き続き検証を進めていく。

 


(公社)

 本事業を踏まえて、御社は今後、どのようにプラスチックの国内資源循環を進めていきたいと考えていますでしょうか。また、本事業を今後どのように発展させていくお考えでしょうか。

 

Loop Japan

 オフィスビルや商業施設で最も多いプラスチックごみの一つは、弁当容器を含む食品容器だという調査結果もあり、私たちはこの容器問題を何とか解決したいとかんがえ本事業を実施した。

 今後は、この事業で見えた課題を一つひとつ解決していくことが必要となると考えている。それとともに、この回収モデルをもとにしてほかのオフィスビルや商業施設と連携し、オフィスビルや商業施設を一つのユニットとして回収モデルを実施してくれるパートナー企業の輪を広げていく努力も続け、使い捨てプラスチックの削減を一層促進できればと思っている。

 

 

 LOOP JAPAN カワバタ様、取材へのご協力ありがとうございました。

 

以上