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実施日時
令和7年7月12日(土) リアル10:00~12:00 、オンライン10:00~11:20
スポーツをしている時や日常生活で熱中症にならないための環境づくりについて、一原先生に講義をしていただきました。
(講師) NPO法人スポーツセーフティージャパン
一原 先生
NPO法人スポーツセーフティージャパンで、部活動からプロスポーツ、そして生涯スポーツ※1まで幅広くスポーツ現場での安全管理をどうすればいいのか、考え方や方法についての活動をしています。
※1 身近な生活の場にスポーツを取り入れていくこと
スポーツをする際の熱中症の予防と対策
運動中に体温が上がり続けると、運動のパフォーマンスが下がり、熱中症の原因になります。
体の中の水分が減ると、熱中症になりやすくなります。・湿度が高いと、汗があまり蒸発しないので、体温が上がりやすくなります。運動をする環境の暑さのレベルを知るためには「暑さ指数(WBGT)」が有効です。暑さ指数計は、気温やふくしゃ熱だけでなく、湿度が大きく影響しています。
気温だけでは、「暑さ」はわからないことに注意!
予防/対策のポイント(からだ)
- まだ暑さに慣れていない時期の運動や睡眠不足などは熱中症のリスクになるので、事前に汗をかく体づくりや充分休息するなどして体調を整える。
- 水分補給で体内の水分量を下げない。のどが渇いたと感じる前に、できるだけこまめに水分を補給する。
- 運動前にアイススラリーで体内から温度を下げる。
- 休憩中に手のひらを氷のうなどで冷却してリフレッシュする。
- 運動後30~60分以内に身体を冷やすことで身体の疲れを回復させる。
特に暑い環境での運動などでぜひ取り入れてみてください!
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アイスラリーとは?
予防/対策のポイント(スポーツ施設など)
スポーツ施設の情報、緊急スタッフ/連絡先、設置場所、ルート、役割分担などをまとめたものを作成して、施設の人や施設に来た人に共有して、素早く対応できるようにする。
施設によって、そこにある物品やルートなどが変わってくるので、運動する際は事前に確認をすることも大切です。
熱中症になってしまったら?
熱中症の人への対応としては、「水分補給」と「体を冷やすこと」がとても大切です。
熱中症の人が、意識がもうろうとしたり(意識障害)、うまく話せなくなったり(言語障害)しているときは、熱中症の中でも重度の「熱射病」になっています。
熱射病になった場合は、すぐに救急車を呼びましょう。
待っている人は、救急車が来るまでに全身を冷却することが大切です。(目安は30分以内に体温を38度台にする)
全身水に漬け冷やす「アイスバス」を使うと、全身を冷却することができます。
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全身水に漬け冷やすアイスバス(左) / 水に入れても浮かないタンカ(右)
講座では、大人の男性1人を熱中症患者に見立て、5名の男性でアイスバスに入れる体験をしました。
とっても重くて大変でした。
意識が本当にない場合はもっと重く感じるそうです。
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5人の大人が1人を持ち上げてアイスバスに入れるところ
アイスバスに人の力だけで入れるのはとても大変なので、水に浮かないタンカ(メッシュ生地)を使うことで、少し簡単に運べるようになります。
体が入るとかさが増えるため、水の量は入れすぎないように注意したり、タオルでおぼれないように固定したりすることも大切です。
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アイスバスに入れた後の固定方法
動かせない場合やアイスバスが無い場合は、濡れたタオルを体に広げて置く、冷たい水を体に流し続けるなどの他の方法でも対応できます。
(服の上からでOK。アイスバスに入れるときも服を脱がせる必要はない。)