活動団体情報・活動紹介

すみだ水族館

近づくと、もっと好きになる。

すみだ水族館ではいきものの飼育・展示を通して、普段はなかなか見ることのできない小笠原の大自然を、東京のランドマークである東京スカイツリータウン®から発信しています。また、年に一度小笠原の海に出向き、海ごみの清掃活動やアオウミガメの保全活動にも取り組んでいます。

住所
〒131-0045 東京都墨田区押上1-1-2 東京スカイツリータウン®・ソラマチ5・6F
電話番号
03-5619-1821
活動ジャンル
HP
https://www.sumida-aquarium.com/index.html
SNS
海の環境を守る団体からのメッセージ

すみだ水族館
副館長 柿崎 智広 氏(写真上段)
展示飼育チーム 藤原 智昭 氏(写真下段)

「近づくと、もっと好きになる。」をコンセプトにいきものの飼育と展示を通じて、多くの来館者に体験・環境学習の場を提供しているすみだ水族館。
今回は副館長の柿崎智広さんと展示飼育チームの藤原智昭さんに、すみだ水族館が取り組む海ごみ清掃活動や展示に込める想いについてお伺いしました。

すみだ水族館には、小笠原大水槽やオガサワラベースなど、小笠原をテーマにした展示が多くみられますね。このような展示に取り組むことになった経緯についてお聞かせください。

すみだ水族館は2012年5月22日、東京スカイツリータウン®とともにオープンしました。日本の中心である東京、そのランドマークであるスカイツリーのもとにおいて「東京のどんな魅力を発信するか」水族館としてできることを考えてきました。2011年に小笠原諸島が東京都の世界自然遺産として登録されたことを受け、「大都市である東京にも、世界に認められるような素晴らしい自然環境がある」ことを発信したいと考え、小笠原村と連携協定を締結、小笠原にまつわる展示を始めました。

小笠原大水槽の見どころはどこでしょうか?

「小笠原大水槽」は、小笠原の村民やダイバーの監修により、小笠原のリアルな海を再現すべく、展示を工夫しています。日本国内では小笠原にしか確認されていない大きなサメ「シロワニ」や、小笠原近海でだけ黄色に変色することが確認されている「ミナミイスズミ」、圧巻の魚群が魅力的な「ヨスジフエダイ」が見どころです。「都心で一番近い小笠原」をコンセプトに、小笠原の自然に包まれるような体験を皆さまにしていただきたいです。

すみだ水族館ではアオウミガメの保全活動に取り組んでいると聞きましたが、どのような取組をされているのでしょうか。また、海ごみがアオウミガメに与える影響には、どのようなものがあるのでしょうか。

小笠原はアオウミガメにとって重要な繁殖地です。すみだ水族館では産まれて間もないアオウミガメの赤ちゃんを小笠原から預かり、水族館で1年間飼育しています。敵に襲われにくい体のサイズに成長したアオウミガメの赤ちゃんを、また小笠原の海に還すという保全活動に取り組んできました。開業からこれまで、小笠原の故郷に還したアオウミガメの赤ちゃんは40頭以上にものぼります。
アオウミガメは産卵の時期になると、海から上がり、砂浜に穴を掘ってそこに卵を産み落とします。この時、砂浜に海ごみなどの障害物があると、産卵のために海から上がった親ガメがうまく穴を掘れなかったり、卵からかえった赤ちゃんが障害物に引っかかってしまったりします。
また、これはあまり知られていないのですが、実はウミガメの性別は「孵化時の砂の温度」によって決まります。29℃を境に、それより低いとオスに、高いとメスになる割合が高くなります。
しかし、海ごみが海岸にたくさん落ちていると、放熱が妨げられることで砂の中の温度が上がってしまうので、孵化するウミガメの性比がメスに偏ってしまう恐れがあるのです。性比の偏りは、ウミガメの繁殖を妨げてしまう要因となります。
このように、海ごみはいきものたちにとって、引っかかったり飲み込んでしまったりするだけでなく、意外な面でも影響を及ぼしてしまうのです。
アオウミガメの赤ちゃんたちは水族館の展示でも見られます。ぜひ、近くでアオウミガメの成長を見守っていただき、海や海ごみについても関心を広げてほしいです。

水族館の取組として、小笠原でビーチクリーンを行っているそうですが、取組を始めたきっかけや活動を通して感じたこと、気づいたことについて教えていただけないでしょうか。

すみだ水族館は、2023年から小笠原で毎年ビーチクリーンを行っています。
海ごみ問題が環境課題として取りざたされている中、小笠原の海を発信している水族館としてできることはないかと考え、清掃活動を始めました。
清掃活動を通して感じたことは「人間といきもののギャップ」です。人間は海岸のごみ拾いをするとき、足を運びやすい場所で、パッと人目につくごみから清掃すると思います。しかし、実際にごみの被害を受けるいきものたちは、人間の目に届きにくい場所で生活しています。そのような場所のごみも清掃していくことが水族館としてできることなのではないかと感じています。実際に人間の手が届きにくい場所として、山を登り下り、約1時間かけてたどり着く初寝浦海岸のごみを清掃しました。砂浜の中に埋まってしまっている漁網を、大人が複数人で協力して掘り出しました。
このような清掃活動は、一度やっただけでは解決しません。継続していく仕組みを作ることが大切です。さらには、自らの体験を通じて「小笠原のイマ」を伝え、小笠原の自然を守りたいと思ってもらえる人を増やすことが、私たちの使命です。すみだ水族館では今後も定期的に、小笠原村の皆さんと一緒に保全活動に取り組んでまいります。

これからも内地の私達がすみだ水族館で小笠原の海を体感できるよう、すみだ水族館ではどのようなことに取り組んでいく予定でしょうか? また来館者の方々へ、ひとことお願いします!

小笠原固有種の展示や産業・環境保全・教育に関する発信を通して、なかなか足を運ぶことができない小笠原のすばらしさを身近に感じていただきたいです。
水族館は、可愛らしいいきものを見て癒されるたのしい場所ですが、その背景にある自然に目を向けることで、自分たちの生活とのつながりを知ることができます。
来館者の皆さまに「考える」きっかけを提供し、小笠原の自然を好きになって守りたいと思ってもらえるように、小笠原エリアの展示をこれからも工夫していきます!