活動団体情報・活動紹介

特定非営利活動法人 グリーンバード

きれいな街は、人の心もきれいにする

グリーンバードは、誰でも自由に参加できる街のゴミ拾いを行っている団体です。
「ポイ捨てをしない」社会をつくることをMissionとして、グリーンバードは社会貢献のきっかけになる地域のつながりを生むことをVisionとして、世界中の街をきれいにしていきます。

住所
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-35-3 コープ・オリンピア732
電話番号
03-5469-5318
活動ジャンル
HP
https://www.greenbird.jp/
SNS
海の環境を守る団体からのメッセージ

特定非営利活動法人
グリーンバード
代表 福田 圭祐 氏

ポイ捨てのない社会を⽬指して、「キレイな街は⼈の⼼もキレイにする」をコンセプトに、今や⽇本各地、海外でゴミ拾い活動に取り組んでいる特定⾮営利活動法⼈グリーンバードさん。今回は代表の福⽥圭祐さんに活動内容や今後の展開についてお伺いしました。

グリーンバードは2002年に原宿の街のごみ拾いからスタートし、2025年の今では日本全国で、さらには海外でも清掃活動をされているようですね!「ごみ拾い」という一見地道な活動が、ここまで大きなムーブメントに成長することができたのは、なぜだと思いますか?

活動が始まった2002年は、今とは全くごみへの関心・問題意識が異なっていました。街中どこでもたばこの喫煙ができる環境で、吸い終わったたばこはポイ捨てされることが日常的な時代でした。その一方で、ごみ拾いというボランティア・社会貢献活動は当たり前ではありませんでした。
でもそんな中で、自分たちの街は自分たちで綺麗にしたいという思いを抱く若者が現れ、有志で活動を始めました。はじめは、こんなに大きなムーブメントになるなんて思ってもいなかったです。カルチャーと流行の発信地である原宿で、お揃いのビブスを着て「おしゃれにかっこよく」「原宿らしく」ごみ拾いを始めたおかげで、それを見た人も興味を持ってくれて。気づいたら、自然に参加者の輪も広がっていました。
今では、企業のCSRや学生のボランティアサークルでも、ごみ拾いをする人が増えてきて、嬉しく思っています。

「きれいな街は、人の心もきれいにする」がコンセプトのグリーンバードですが、ごみ拾いに参加する前と後で、参加者に変化が見えた部分はありましたか?また、グリーンバードとしてごみ拾いで大切にしていることがあれば教えてください!

ごみ拾いを一回体験した人は、絶対にポイ捨てしなくなると思います。参加理由は人によってそれぞれです。環境問題に関心があって、改善したいという想いを持つ人もいれば、一日のモチベーションをあげたいから、なんて理由の人もいます。だけど、参加した後は皆さん絶対に意識が変わっていると思います。
グリーンバードとして、ごみ拾いするにあたり大切にしていることは「横を見よう。上を見よう。」です。ごみ拾いって普通、下ばっかりを見ますよね。集中して取組むのはいいことだけど、せっかく一緒にごみ拾いをしている仲間(横)がいるのだから、皆んなで交流して欲しいなと。自然と交流が生まれやすくなるアイディアとして、グリーンバードでは可燃と不燃の2種類にごみ袋の色を分け、参加者にはどちらか1種類のごみ袋を渡します。そうすることで、例えば私が可燃の袋を持っていて、不燃のごみを見つけたら、不燃の袋を持った人に声をかけて、入れてもらいます。こうして、ごみを交換することで自然と参加者同士の会話が生まれる仕掛けになっています。
そして、上を見ると、普段の暮らしでは気づかなかった発見があります。「この街に、こんなにきれいな樹があったのか」なんて、そんな気づきが得られれば、ごみ拾いのモチベーションも上がると思いませんか?

リピーターの方も多いと思いますが、継続的に参加することで生まれたつながりはありましたか?

何回もリピートして参加してくださる方に参加理由を聞くと、「グリーンバードのごみ拾いを通じて生まれるつながりが好き」という方が多いです。SNSの普及により簡単に同じ趣味や考えを持つ人とつながれる時代になった一方で、少子高齢化などの影響もあり商店街や町内会のコミュニティ機能が失われつつある地域が増えています。そうした中、グリーンバードには年齢や性別、業種を問わず、本当に幅広い人々が一緒になってごみ拾いをます。これほど多様性に富んだつながりは他にはないと感じています。

海外でも活動されているということですが、ごみ拾いに対する文化的な違いは感じますか?また海外で活動することへの課題について教えてください。

海外では、街の清掃を仕事とする方がいるためか、街に捨てられているごみは多いです。
日本は学校で掃除の時間があったり、大掃除という文化があったり、掃除文化が根強い国だと思います。
実は海外を拠点にして活動しているチームでも、日本人の参加者が多いです。やはり、国によって育ってきた環境や価値観が違うことが課題だと思います。
でも、2025年で結成10周年を迎えるパリチームは、メディアにも取り上げられるようになり、現地の人々も参加してくれるようになりました。時間はかかっているかもしれないけど、現地の人々の心を動かしている事例です。

グリーンバードが開催した「海の自由研究フェス」では海ごみに関わるワークショップで多くの方に参加していただいたそうですね!印象的だった参加者からは多くの反応があったと思いますが、印象的だったものはありますか?

イベントに参加してから、ビーチクリーンに関心を持つ子やMSC認証(環境に配慮した水産物に付与される「海のエコラベル」のこと)に意識を向ける子が現れるなど、子供たちの中にもいろんな変化が見られました。また、イベントのワークショップを通して作った作品を、自由研究として学校に持ち帰ることで、それを見た同世代の子供たちにも、海ごみ問題に関心を持ってもらえます。
海の自由研究フェスでは、グリーンバードらしく、環境問題を「楽しく学んでもらう」ことで、問題意識の広がりを促しています。

ごみ拾いをする団体が数多くある中で、グリーンバードならではの強みは何だと考えますか?

ごみの拾った量や参加回数で参加者に優劣をつけることは一切せず、全員がフラットな立場で、気軽にできる限り、自分のペースでごみ拾いを楽しむ。入会制度などもありません。グリーンバードのごみ拾いはそのくらい肩の力を抜いたスタンスで活動しています。ごみ拾いは集合から解散まで、約1時間で終了します。ごみ拾いを始める前の説明、終了後の写真撮影などを考えるとごみ拾いをしている時間は実際40分ほどです。ストイックに頑張りすぎず、むしろ「拾い足りない」くらいの感じがまた参加したくなる動機にも繋がりますし、「大変だった・疲れた」ではなく「気軽にボランティアに参加できて楽しかった」という印象を大切にしています。なにより無理をせず「楽しむ」というところがグリーンバードの強みだととらえています。

今後、グリーンバードとしてチャレンジしてみたいこと、広げたいビジョンがあれば教えてください。

今以上に、たくさんの人にとって、ごみ拾いを日常的なものにしたいと思います。グリーンバードがまだない都道府県もあるので、全国にチームを増やし、参加できる機会を提供したいと考えています。また、ポイ捨てのない社会を実現するためにできることは、ごみ拾いだけではありません。20年以上ごみ拾いの活動を続けてきたからこそ、楽しく、面白く学んでもらうためのごみに関するイベントの開催や周知活動にも、積極的に挑戦していきたいと思っています!

海のプラスチックごみから生まれたプラモデル「RePLAMO」
グリーンバードで行っているという、海に落ちているプラスチックごみを100%再生したアップサイクルについて、お聞きしました!

RePLAMO(リプラモ)

「これからの未来を担う子供たちに海ごみ問題を身近に感じてもらうには、大好きな“おもちゃ”が効果的ではないか?」

そんな考えからプラスチックごみから生まれたプラモデル”RePLAMO(リプラモ)”というアップサイクルプロダクトを考案しました。材料となるプラスチックごみをビーチクリーンで集めて、それがプラモデルに生まれ変わるのです。自分達で材料を集める。そんな唯一無二の体験を商品化しました。
遊びながら、組み立てながら、海ごみ問題について考えるきっかけになればと思います。