活動団体情報・活動紹介

NPO法人 荒川クリーンエイド・フォーラム

「ごみ問題と向き合い、自然とともに生きる社会」

『荒川での活動をモデル事例とし、世の中全体のごみ問題の解決』を目指します。海域に流入するごみの5~8割は陸域由来と言われています。当団体が1994年から培ってきたパートナーシップ構築、河川清掃活動等のknow-howを最大限に活かし、これらの社会問題の解決に向け、まい進していきます。

住所
〒132-0033 東京都江戸川区東小松川3-35-13-204 NICハイム船堀 (小松川市民ファーム内)
電話番号
0336547240
活動ジャンル
HP
https://cleanaid.jp/
海の環境を守る団体からのメッセージ

特定非営利活動法人
荒川クリーンエイド・フォーラム 
理事 今村 かずゆき 氏

世の中全体のごみ問題の解決を目指し、荒川での活動をモデル事例として、環境保全活動を行っている特定非営利活動法人 荒川クリーンエイド・フォーラム(以下、荒クリF)さん。
今回は、理事の今村かずゆき氏に荒クリFさんの活動についてお伺いしました。

荒クリFさんが活動を始めたきっかけは?なぜ荒川で?

元々、多摩川で実施されていた活動を荒川に移転してきたのが始まりです。高度経済成長で汚染が進んでいた荒川にも類似の清掃活動の仕組みを取り入れ、荒川をきれいにしたい!という思いから、1994年に活動が始まりました。立ち上げ当初は建設省荒川下流工事事務所(当時)が主導となり、当時から荒川流域の自治体と連携して活動してきました。

立ち上げ当初の苦労、これまでの活動のエピソード等はありますか?

荒川は上流から下流まで広域のため関係者も多く、当初は自治体や事業者の足並みを揃えることが大変で、様々な団体と話し合いを重ねたそうです。
活動が軌道に乗ってきたのは、社会情勢的に民間企業のCSRが徐々に浸透してきた2000年代前半くらいからです。企業の研修に荒川清掃が取り入れるなど、民間企業との連携が増えていきました。
一口に”民間企業”と言っても、活動後に交流会をされたり、ゲーム性を高めた活動にアレンジをされたり、企業ごとの特色が出て面白いです。いずれにしてもまずは楽しく活動してくれることが大切だと思っています。

荒クリFさんにはどのような経歴の方が所属されているのでしょうか。

私はアカウミガメの研究者で、砂浜での現地調査をきっかけに、川や海のごみ問題と向き合うようになりました。環境系NPOの中でも経済的な礎のある荒クリFで活動することになりました。
その他、荒クリFのメンバーには、本業がドルフィンスイムであったり、ライフワークでクジラの解剖ボランティアをしている人、キャリアコーディネーター、アパレル業界、モデルなど、様々な仲間がいますが、ごみ拾いを通じて生物多様性の保全に貢献する!という思いは共通です。

清掃活動を行っている団体の中でも、荒クリFさんならではのアピールポイントはどこですか?

荒クリFの特徴は、清掃活動をエンタメにする!ということです。環境活動は、解決に時間がかかり、辛いことを続けるイメージになりがちですが、少しでも楽しく活動してもらおうと考えています。
荒クリFではブラックスーツ団というキャラクターがごみ拾いの様子をYouTubeで紹介しています。当初、身内からは批判の声もありましたが、ブラックスーツ団が何者なのか分からないというところが皆さんの興味を引いたようです。現在では学校などからブラックスーツ団を指名いただき、一緒に活動したいとの依頼も多くなってきました。
また、荒クリFでは、「調べるごみ拾い」を行っています。ごみ拾い時に40品目以上の項目にごみを分類して、世界標準(ICC:International Coastal Cleanup)に沿った調査になっています。データとして見える化を行い、荒川のごみはどこから来るのかその発生源を探るのも荒クリFの特徴的な活動だと思います。

今後の取組、野望はありますか?

過去に、家電リサイクル法が施行されたことにより、テレビや冷蔵庫などの家電が多く河川に捨てられるようになり、収集に苦労したことがありました。今はマイクロプラスチックが問題になっていることなど、社会情勢によってごみの種類も変わるため、時代に適応していくことが重要だと思っています。
見た目はお茶目だが、活動は地道。それが荒クリFです。最終的にはごみがなくなり、多様な生物が共存し、荒クリFの活動が必要なくなって解散することが一番です。人間、生物、環境、全てがうまく調和していくことが大事ですね。

~荒川のマイクロプラを使用したアクセサリー~
荒クリFでは、河川/海洋ごみ問題を若い女性にもお伝えしたい!という想いから、マイクロプラスチックを使用したアクセサリーを作成しています。担当の竹村さんにも話しをお伺いしました。

  

竹村さん

アクセサリーを作るにあたり、長く使ってもらうこともごみを減らすことに繋がるため、ファッションに取り込みやすいデザインで、ニーズに応じて金属アレルギーにも配慮した材料を使用し、どなたでも使っていただけることを心がけています。マイクロプラスチックはカラフルなものが多いですが、荒川は黒白のプラごみが多いという特徴があるため、今後はシックなデザインをシリーズ化していこうかと思っています。

作成にあたり、荒川から土を取ってきて、それを数日かけて洗浄し、マイクロプラスチックを選別するところから自分でやっています。私はアパレル出身で環境とは無縁だったのですが、川での作業中にカニなどの生物に出会うこともあり、マイクロプラスチックのアクセサリー通して、生物達を守ることの重要性を知りました。より多くの方に河川/海洋ごみ問題に関心を持っていただき、未来の川や海を守っていく力に変えていけたら嬉しいです。  

  

荒川河川敷の土

(原料マイクロプラ)

  

数日かけてよく洗うと

マイクロプラスチックがたくさんあることが分かります

 

 

 

 

 

マイクロプラスチックを使用したアクセサリー