「気候変動」という言葉はよく耳にしますが、実際にどんなことが起きているのかと聞かれると、しっかりと説明できる方は案外少ないかもしれません。このページでは、「気候変動とは何か」「実際にどんなことが起きているか」ということを、事例やデータでわかりやすく解説します。

最近、こんなことを感じていませんか?

「ゲリラ豪雨が増えた?」「猛暑日が増えている」「春や秋が短い!」など、暮らしの中で「これは気候変動が関係している事象だったのか!」と思い当たることは多々あるのではないでしょうか?まずは実際のデータをもとに、近年の気候の変化を見ていきましょう。

猛暑に耐える人、雪の少ないスキー場、水不足、豪雨の画像

東京が暑くなっている?

ここ数年、東京都心部の夏の暑さは尋常ではないと感じている人も多いのではないでしょうか。2025年夏の猛暑日は29日間、熱帯夜は55日間ありました。猛暑日の日数はここ数年で大きく増加しています。1980年代、東京の最高気温35℃を超える猛暑日は平均して年間に約0.9日間でした。ところが、2020年代は約16.8日間となっており、その差は18倍以上であることがわかります。

ゲリラ豪雨が増えた?

下のグラフの統計データを見てみると、東京の50mm以上の非常に激しい雨の発生回数が増加傾向にあることがわかります。近年の事例では、2025年9月に世田谷区で観測史上最大の1時間に100mm近い降雨があり、品川区を流れる立会川が氾濫しました。この他、都心部の地下街や主要ターミナル駅周辺にも浸水被害があり、鉄道や道路などのインフラ障害の復旧に時間を要する事例も発生しています。

海面が上昇している?

地球温暖化の影響として、海面水位上昇の問題も注目されています。世界平均海面水位は、1950年~2020年の期間に約14cm上昇したと言われています(気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書より)。また、近年の上昇率は以前に比べて高くなっています。

気候変動とは何か?

気候変動とは、気温および気象パターンが長期的に変化する現象です。太陽活動や火山噴火などの自然要因、温室効果ガス濃度の上昇などの人為的要因によって引き起こされます。1800年代以降の気候変動は人為的要因が大きく、主原因は化石燃料(石炭、石油、ガスなど)の燃焼とされています。

気候変動の仕組み

気候変動の仕組み
地球温暖化について

地球温暖化とは、温室効果ガス(二酸化炭素、メタンなど)が大気中に増えることで、地球全体の平均気温が上昇する現象。温室効果ガスには地球の気温を適度に守る効果があり、地球が冷えすぎるのを防ぐ大切なものです。しかし、産業革命以降、化石燃料の使用などにより温室効果ガスの排出が急増。これにより、地表面や大気の熱が適切に放出されなくなり、地球の平均気温は約1.1℃上昇しました(IPCC 第6次評価報告書より)。「わずか1℃程度」の変化ですが、実は極端な気象現象の増加や生態系への深刻な影響をもたらしています。

東京が暑いのはなぜ?(都市化の影響)

東京都心部の気温上昇は、ヒートアイランド現象と地球温暖化の相乗効果と考えられています。「ヒートアイランド現象」とは、都市の中心部の気温が周囲と比べて島状に高くなる現象で、アスファルトやコンクリートの増加、建物からの排熱、高層ビルによる風通しの阻害などが原因です。

気候変動によって起きていること

気候変動の影響により、世界各地で猛暑や異常気象が増え人々の暮らし、健康、食料、そして最終的には経済へと連鎖的な影響をもたらしています。日本でも、熱中症などの健康被害だけでなく、水害や農作物への影響などが社会課題となっています。

世界中で起きている気候変動影響

世界各地で起きている熱波・干ばつ被害

気候変動による熱波や干ばつの被害は、世界中で増加傾向にあります。ヨーロッパでは熱波による死者数が増加。南米・アフリカ・地中海地方でも深刻な干ばつや水不足が頻発するなど、気候変動の影響による非常事態が常態化しつつあるのが現状です。

アジアでの大規模な洪水被害

アジア地域では極端な豪雨による大規模洪水の被害も多発しています。2025年11月には東南アジアを中心に広い範囲で大雨となり、多い地点では期間中※の総降水量が1,500mmに達し、洪水や土砂崩れ等による大きな被害が発生しました。干ばつと豪雨は一見真逆の現象のように思えますが、どちらも温暖化により水循環のバランスが崩れ、引き起こされる異常気象です。

2025年11月19日~11月28日

日本での広域の河川氾濫

日本国内においても、線状降水帯の発生や台風による水害が起こっています。東京にも甚大な被害をもたらした令和元年東日本台風や、令和2年7月の熊本地方の豪雨は記憶に新しいのではないでしょうか。線状降水帯の発生が増えていること、その強度が増していることも、地球温暖化によるものと考えられています。

日本の農作物への影響

気候変動は農業にも影響をもたらします。特に穀類や野菜、果実などは、品質の低下や収穫量の減少、そして栽培適地の変化が起き始めています。主な要因となっているのは、猛暑による生育不良や病害虫の増加、台風などの災害による影響です。


実際に起きている事例を見ることで、気候変動が私たちの身近な問題であることがわかります。では、この問題に対して、私たちはどのような行動が取れるのでしょうか?

次のページでは、”気候変動適応”という考え方と、世界や日本、そして東京都の取組を見ていきましょう。