サーキュラーエコノミーが求められる背景
大量生産・大量消費型の経済社会活動は、大量廃棄型の社会を形成し、健全な物質循環を阻害するほか、気候変動問題、天然資源の枯渇、大規模な資源採取による生物多様性の破壊など様々な環境問題にも密接に関係しています。資源・エネルギーや食糧需要の増大や廃棄物発生量の増加が世界全体で深刻化しており、一方通行型の経済社会活動から、持続可能な形で資源を利用する「循環経済」への移行を目指すことが世界の潮流となっています。
(出典:環境省 「令和3年度版環境白書 第2章第2節 循環経済への移行」)
サーキュラーエコノミーとは ~リニアエコノミー、リサイクリングエコノミーとの違い~
原材料から製品を製造し、使用後に廃棄する一方通行型の経済活動をリニアエコノミーと言います。このリニアエコノミーを続けていくと、資源の枯渇、廃棄物の量が増え続けることによる埋立処分場のひっ迫などの環境問題につながります。
こうした環境問題に取組むために、日本ではこれまで、廃棄物の発生を抑制し、製品を再使用・再生利用する3R(リデュース・リユース・リサイクル)に取り組んできました。この3Rを基本としたリサイクリングエコノミーでは、まずは廃棄物を発生させないようリデュース・リユースに取り組みますが、それでも少なからず廃棄物が発生します。
サーキュラーエコノミーは、「循環経済」と呼ばれ、従来の3Rに加え、資源投入量や消費量を抑えつつ、ストックを有効活用しながらサービス化等を通じて、付加価値を生み出す経済活動であり、製品を生み出す段階から、製品の長寿命化やリサイクルしやすい素材の活用を考えて設計を行うこと、原材料の使用を最小限に抑えること、既にある製品等を最大限に活用し資源を無駄にしないことで廃棄ゼロを目指しています。