環境調査研究・技術支援事業
東京都環境科学研究所では、公的試験研究機関として、東京の環境実態の把握、環境施策の検討・効果検証等、都の環境行政の展開に必要な調査・研究を実施し、都や都民の皆様へ科学的知見の提供を行っています。
調査研究
東京都からの委託研究や首都大学等との共同研究、国・民間企業からの外部資金を活用しての研究など、東京都の環境行政に資する調査研究を実施しています。
≪主要研究テーマ≫
水素を活用したまちづくりに向けた調査
遠隔地の再生可能エネルギー由来であるCO2フリー水素の利活用や水素エネルギーマネジメント構築に向けた課題を整理し、解決策を示すことで、まちづくりにおけるCO2フリー水素の活用を目指します。
資源循環に関する研究
焼却灰や不燃ゴミの金属資源の効果的な循環利用、焼却排ガス中の有害物質の除去に係わる研究に取り組んでいます。
自動車環境対策の総合的な取組に関する研究
最新の大型ディーゼル車、ガソリン車、ハイブリッド車等の排出ガス測定、分析などを行い、自動車の環境対策の効果等に関する研究を実施しています。
微小粒子状物質の濃度低減等に関する研究
大気中の微小粒子状物質(PM2.5)の削減対策に資するため、 PM2.5中の有機粒子や硫酸塩、硝酸塩の発生源の解明、PM2.5よりさらに小さいナノ粒子のフィールド調査に取り組んでいます。
高濃度光化学オキシダントの低減対策に関する研究
光化学オキシダントの原因物質である揮発性有機化合物(VOC)について、大気中成分ごとのオキシダント生成に対する寄与割合の把握や、室内実験による光化学オキシダント生成機構の解明に取り組んでいます。
有害化学物質の分析法・環境実態の解明に関する研究
環境中に残留したり生物の体内に蓄積することが懸念される有害性の高い化学物質の分析法を検討します。また、それらの環境中の濃度を調査しています。
東京湾の水質改善に関する総合的研究
東京湾の水環境改善対策の一環として、沿岸部の生物生息環境、自然浄化機能に関する調査研究を行っています。
東京都におけるヒートアイランド現象等の実態に関する研究
ヒートアイランド現象等の影響を把握し施策に反映させるため、都内における気温分布や熱環境の実態等に関する調査研究を行っています。
技術支援
自動車排出ガス試験、分析精度管理、都及び区市担当者を対象とした技術研修など技術支援を行います。
自動車排出ガス試験
自動車排出ガス計測装置等(シャシダイナモメータ等)の施設を活用し、以下の自動車排出ガス試験を実施しています。
- 普通貨物自動車、大型バス等のディーゼル車を対象とした「自動車NOx・PM法」に基づく自動車排出ガス試験
- 大型・小型自動車を対象とした自動車排出ガス低減装置等の性能試験
行政検体の精度管理
東京都環境局が民間事業者に分析委託している公共用水域の水質監視や事業所排水の水質規制にに係わる測定について、環境科学研究所では、委託分析の精度確保を目的として、民間事業者と同一の試料を分析し、正確な測定が行われていることを確認しています。
都及び区市町村の職員への技術支援
環境行政を円滑に執行するため、ダイオキシン類、悪臭測定や廃棄物等、環境に関連する知識・技術を継承するための研修を実施しています。
研究成果及び情報の提供
- 研究論文や年報、研究所ニュース等により、これまでの研究成果や環境情報を提供しています。
- 毎年、公開研究発表会を開催し、研究成果を発表しています。
- 小・中・高・大学生及び都民の方に施設の見学を受け入れています。また、行政・海外研修生等の視察も受け入れています。
- 研究施設を年1回一般公開し、東京の環境の実態や研究成果について楽しく知っていただくため、研究員が詳しく解説いたします。
- 資料室では環境関連の図書資料の閲覧・貸出しを行っています。