平成29年11月22日(水)、「ふたつの豊島から未来へのメッセージ」展(主催:NPO法人瀬戸内オリーブ基金、豊島区)のサブイベントとして、産業廃棄物処理業者向け特別シンポジウム~豊島(てしま)事件の教訓を産業廃棄物処理業の未来に引き継ぐ~を開催しました。

 

シンポジウム名称

産業廃棄物処理業者向け 特別シンポジウム

~豊島(てしま)の教訓を産業廃棄物処理業の未来に引き継ぐ~

 

開催日程及び会場

日  時:2017年11月22日(水) 14:00~16:30 (受付開始13:30)

 

会  場:としまセンタースクエア(豊島区役所1階)

     アクセスはこちら>>

 

参加者数:103名

 

開催プログラム

14:001420

第1部 「豊島事件を振り帰る」

(1)NPO瀬戸内オリーブ基金作成のスライドにて豊島事件の概要説明

(2)TSCテレビせとうち 平成293月放送の番組の視聴

(3)パネリストからの補足説明

   ・不法投棄が摘発されるまでの豊島の状況

   ・弁護団の設立から公害調停までの状況

   ・廃棄物撤去完了後の地下水汚染の現状

14:351445

-休憩-(10分)

14:551545

第2部 「豊島からのメッセージ」

 

《パネリスト》

 安岐 正三氏(廃棄物対策豊島住民会議 事務局長)

  配布資料①「永い闘いの終わりの始まり 豊島産業廃棄物不法投棄事件-42年の闘い」>>

 

 岩城 裕 氏(弁護士/大阪弁護士会所属 NPO法人瀬戸内オリーブ基金理事長・元豊島弁護団)

  配布資料②NPO法人瀬戸内オリーブ基金パンフレット>> 

  配布資料③「ふたつの豊島から未来へのメッセージ」展 会場配布パンフレット>>

 

 中地 重晴氏(熊本学園大学社会福祉学部福祉環境学科長 教授 

        廃棄物対策豊島住民会議 科学技術顧問)

  配布資料④「住民参加による産廃不法投棄からの原状回復-香川県豊島の経験と教訓」>>

 

《コーディネーター》

  齊藤 和弥 (公益財団法人東京都環境公社 常務理事)

15:451555

-休憩-(10分)

15:551640

 

質疑応答・シンポジウムのまとめ

(1)会場からの質問にパネリストが回答

(2)パネリストから参加者へのメッセージ

(3)コーディネーターによるまとめ

17:00

閉会

 

開催の様子
【第1部】豊島事件を振り返る

 

 

スライドにて豊島事件の概要説明

 

 

 

テレビせとうちの番組視聴

 

 

会場の様子①

 

 

会場の様子②

 

【第2部】豊島からのメッセージ

《パネリスト》

安岐 正三 氏

 (廃棄物対策豊島住民会議事務局長)

 

 

 

岩城 裕 氏

 (瀬戸内オリーブ基金理事長・元豊島弁護団)

 

中地 重晴 氏

 (熊本学園大学教授・廃棄物対策豊島住民会議科学技術顧問)

 

《モデレーター》

 

 

齊藤 和弥

 (公益財団法人東京都環境公社 常務理事)

 

《パネルディスカッション》

 

パネルディスカッションの様子①

 

 

 

パネルディスカッションの様子②

 

 

質疑応答の様子

 

アンケート結果

 

当シンポジウムでは、参加者の皆様へのアンケートを実施しました。結果の抜粋を掲載します。

 

アンケート対象者数:91名

アンケート提出者数:68名

回   収   率:74.7%

 

 

<参加者の属性>

 

a 業の区分

 

回答数

a 収集・運搬

19

22%

b 収集・運搬

(積替保管を含む)

33

38%

c 中間処理

35

40%

合計(総数)

87

100%

※複数の許可を持っている事業者がいるため、合計がアンケート提出者数を上回っている。

 

b 所属・役職

 

回答数

 

a 経営層

10

18%

b 管理部門

23

42%

c 営業部門

15

27%

d 実務部門

7

13%

合計(総数)

55

100%

 

c 経験年数

 

回答数

 

a 13

22

39%

b 45

10

17%

c 610

9

16%

d 11年以上

16

28%

合計(総数)

57

100%

 

 

 

<シンポジウムの内容について>

 

a シンポジウム全体

項目

回答数

大変参考になった

44

66%

参考になった

23

34%

どちらでもない

0

0%

あまり参考にならなかった

0

0%

参考にならなかった

0

0%

合計(総数)

67

100%

(事件の内容について)

・排出者責任は当然だが、どこまでその責任を追及できるかの判断の難しさを感じた。

・入社1年目で、豊島事件のことは今回初めて知りましたが、この事件が現在の廃掃法および排出者の方々(お客様)の排出事業者責任に対する高い意識につながっていると思いました。

・豊島事件(廃棄物問題と廃掃法、法改正経過)の位置が今更ながら明確になった。

・事件の始まりから解決まで、そして現状を知ることができてよかったです。

・長い年月かけて問題解決を図ることの大切さ。

 

(パネリストの話について)

・パネリストの皆さんの意見等が大変参考になった。

・実際に関わった方からのお話をいただけることは、とても重いメッセージと分かった。

・貴重な話を聞くことが出来て非常に参考になりました。

・行政・業者・住民との闘い、それを我関せずの態度の国民という図を安岐事務局長の言葉で非常に強く感じた。

・公社常務理事の方が、パネリストに色々な視点から質問されて廃棄物処理業者としてより深く知識を考え、行動を示さなければならないと感じました。

 

(シンポジウムの構成について)

・スライド、意見交換、質疑応答など、充実した内容だった。

・最初に基礎知識の講座があり、2部で実際に現場の意見を聞ける構成だったので、理解しやすかった。

 

 

b 第1部「豊島事件を振り返る」

項目

回答数

大変わかりやすい

40

59%

わかりやすい

27

40%

どちらでもない

1

1%

少しわかりづらい

0

0%

わかりづらい

0

0%

合計(総数)

68

100%

(事件の内容について)

・不法廃棄物の撤去までの年月が長くかかり、その間に島民の方々は大変なご苦労をされたのだと思いました。二度と同じ事件を起こしてはならないと思います。

・ひとたび不法投棄が行われると、その場を元に戻すのに半世紀以上もの時間がかかることがわかりました。業界の中の一人として、誠意を持って産廃処理を進めていこうと思いました。

・不法投棄問題の深刻さ、行政のあり方、法律の運用、一言では片付けられない問題だと感じた。

・地域とのコミュニケーションの必要性を実感した。

・この仕事に携る業者として、豊島問題について理解しているつもりでした。しかし未だ完全解決している訳ではないのかと、愕然としました。

 

(行政の対応について)

・行政及び処理業者における透明性が必要と思いました。

・香川県が廃棄物処理業の許可を出しているが、行政側が廃棄物の定義や処理法をしっかりと熟知し指導すべきだと感じた。

 

(その他)

・闘い続ける・熱い想いが伝わってきました。

・学校の授業等でやってもらいたいと思った。子供達に知ってもらいたい。未来のためにも。

・安岐さんの熱い想いが伝わり、感動しました。

 

 

c 第2部「豊島からのメッセージ」

項目

回答数

大変わかりやすい

45

70%

わかりやすい

18

28%

どちらでもない

1

2%

少しわかりづらい

0

0%

わかりづらい

0

0%

合計(総数)

64

100%

(当事者の声を聞いて)

・豊島事件で闘ってこられた方々の生の声が聞けて大変勉強になりました。行政と協力・コミュニケーションをとりながら、地域住民の方々を考えて仕事をするということが大切なことだと思いました。

・豊島事件に実際に関わった人たちの意見で背景が鮮明に浮かび上がった。処理業者として適正な処分をしていかなければならないと痛感した。

・三人方、それぞれの生の声が聞けてとてもよかった。当時・現在の話を聞けてとてもためになりました。

・生の言葉は重たいと感じました。

・実際に関わっている方々の声を伺う中で、「まだまだこの問題は終わっていない」ということを実感することが出来ました。

・「42年が長かったわけではない、42年かかって解決への指針が示された」と言う安岐さん、がんばれ。

 

(産廃業界として)

・産廃業界が、環境保全の為に最後の砦として、責任を持って今後の仕事を進めて行きたい。

・豊島の経験や教訓を通して、一人一人の知識を深める事を始め、廃棄物を取り扱う業者として廃棄物の解釈をよくよく理解することが大切だと感じました。

・地域住民との関係と胸を張って適正処理をする大切さを実感しました。

 

(その他)

・行政の判断は間違えると大変なことになるのだと思い知らされましたが、変われるのか?という疑問も残りました。

・排出事業者責任や、廃棄物処理法の意味合い等が当時の時代背景を考えると、今現在より明確ではなかったと感じた。

・廃棄物の問題で先ず考え直さなければならないのは「適正な収運~処分」リサイクルだけでは解決できないと感じました。

 

 

 

参加者の皆様から豊島(てしま)へのメッセージ

参加者の皆様からいただいた、豊島(てしま)の明るい未来への応援メッセージをご紹介します。(抜粋)

たくさんのメッセージをいただき、誠にありがとうございました。

 

42年前の美しい豊島に戻ることをお祈りしています。大変だと思いますが、未来へ向けてがんばってください。

・早く水質が改善されることを願います。自分の目で見て、現状を確認してみたくなりました。近い将来、行きたいと思いました。

・これからも長い時間がかかる様ですが、私達、産廃処理業者にも何か出来ることがあるのではないでしょうか。もしお手伝いできる事があれば、逆にお知らせいただきたい。実現するかどうかわかりませんが、声を聞かせて欲しいです。

・安岐様へ 故中防先生との約束が成就されることを強く願います。

・不法投棄の悲惨さと、回復の難しさを改めて実感しました。今、自身が行っている業務の意味・社会への貢献について、今後も考えていきたいです。

・これからまだまだ御苦労かと思いますが、不断の努力で、綺麗な元の島の姿の復活に向け、がんばってください。何よりも行政の前向きな協力が望まれます。

・長期に渡る闘いに耐え、正義を貫く皆様の熱き思い、大変感動致しました。第2・第3の豊島を作らぬよう、私達処理業者も精進していきます。

・安岐さんが描く豊島になることを祈っています。

・これまでの命をかけた努力に感服します。処理業者としてしっかり受けとめて、使命感を持って事業を進めて参ります。

・島の方々、特に日本の未来を担う子供達のためにも早く水も土壌も無害化できるように頑張ってください。

・廃棄物が全て処理されるまで長い年月で大変だったと思います。また多くの方が亡くなられてしまい、今を知ることが出来なくて残念です。これからは穏やかな海と緑の島になることを祈念しております。

 

 

 

 

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