東京都環境科学研究所

評価結果 H29-1-7

平成29年度外部研究評価委員会 継続研究の中間評価結果

研究テーマ
自動車環境対策の総合的な取組に関する研究
研究期間 平成27年度~平成29年度
研究目的 (1)自動車排出ガス規制強化の実効性評価等
・規制物質の排出低減効果の検証、排出係数算定の資料作成
・VOC、N2O等の未規制物質の排出実態の把握
・排出ガス低減技術の評価
・次期排出ガス規制と現行規制との関係性の評価
(2)次世代自動車等の排出ガス等の実態把握
・ハイブリッド車等、最新技術を用いた次世代自動車等の特性及び環境性能の把握
研究内容
  • (1) 自動車排出ガス規制強化の実効性評価等
  • (2) 次世代低公害車等の排出ガス等の実態把握
H28中間評価 A3名、B3名
評価コメント及び対応
(同様の評価及び対応は、まとめて記載)
  • 長年にわたり継続しており、この点は評価する。
  • ユーザーサイドに立ったデータの収集は意味がある。
  • データがまとまったら、メーカーとも共同して所有者、運転者への啓もう活動が大切。
  • 車種による排ガスの特性を正確に評価しており,今後の都内の車のあるべき方向を打ち出すためのデータベースとしての価値が高い。
  • 検討結果が都の条例制定などにどのように反映されているのかを示していただきたい。
  • この調査は、昭和49年度から40年以上の長期間にわたり継続的に実施されてきた点は高く評価できる。予算の縛りがあるとは思うが、できれば測定車種を増やして、結果の信頼度を高めて欲しい。
  • 測定に用いる車種の選定基準に、どの程度客観性があるのか不明確である。
  • 車種の選定は、販売台数の多い車両や新たな低減技術を搭載した車両を優先して行うようにしています。
  • 昨年度と同様に使用過程の大型車、小型車、ハイブリッド車の排ガス特性を測定し、燃費、PM排出傾向を定量評価してデータを積み上げられ、また成果の積極的な発表も行われており、評価できる。
  • ガソリン蒸発ガスに関する共同研究は、都環研としての実施意義を明確化して取り組まれるとわかりやすくなるように思われる。
  • 研究テーマとして新規性は感じさせないが、営々と現役走行車の排出実態を種々の面から調査されていることは非常に大きな意義がある。
    環境アセス等のための資料として、交通量や車速データと合わせた総排出量データが算定される機会が多いが、それらで用いられる車種別・速度別排出原単位はどこから提供されているのか?その種のデータの妥当性について、本研究の結果を照合することによって何らかの指摘をすることはできないか。(アセス事業の妥当性を検査するというより、本研究を役立てる意味で。)
  • 当研究所では、車種別・平均車速別の自動車排出ガス量を調査しています。その結果を用いて、東京都が自動車排出ガス原単位の作成や、都内の自動車排出ガス総排出量の推計を行い、行政施策を検討しています。
  • 本年度の試験には含まれていなかったが、軽自動車とか二輪とかの燃費やPM排出量のデータも併せて図示すれば、一般市民(特に、それらに乗っている人)にとってわかりやすいかと思う。
H29事前評価 A3名、B3名
評価コメント及び対応
(同様の評価及び対応は、まとめて記載)
  • 29年度、30年度の取り組みとして、PEMSの導入を計画されていることを評価する。
    本来、自動車の環境負荷は、自動車の移動発生源であること、自動車単体の排出ガス性能のみならず、運転者の特性、道路インフラ(狭路、広路、勾配)、交通状況(信号、標識、混雑、駐車車両、並走車の速度)、大気条件(気温、気圧、湿度、風)等々の走行環境の強く依存するものであり、車載型排出ガス測定装置PEMSを使用しないことは、リアルワールドのエミッションは評価できない。都環研の歴史からするとPEMS導入は遅きに失したところでもある。今後の成果に期待したい。
  • シャシダイナモメータによる排出ガス調査とともに、PEMSを用いて東京都内の様々な走行環境における排出ガス状況を測定し、リアルワールドにおける自動車排出ガス実態について明らかにしていきたいと考えています。
  • 路上走行による排ガス測定など,より現実を反映させた検討項目が盛り込まれている。
  • 今後,温暖化対策や省資源・省エネルギーも加味して,例えばハイブリッド車とディーゼル車(クリーンディーゼル)のどちらが優れているのか?といった内容について都環研としての見解を出せるようにしていただきたい。ディーゼルはDPFを装備してもNOxの問題(オキシダントの問題)は回避しにくいので不可?
  • 現在のディーゼル車は以前と比べて自動車排出ガス規制成分の排出量は減少しましたが、NH3やVOC等の未規制物質の排出状況を確認することで、大気中での二次生成粒子やオキシダントへの影響等の解析につなげられるデータ収集等を行っていきたいと考えています。
  • ハイブリッド車の割合が増えている現状に則して、実態調査においても対象車種を増やす等の方策を推進すべきであろう。
  • ハイブリッド車の調査台数について考慮していきたいと考えます。
  • H28年度規制車が新たに測定対象に加わり、規制強化の効果推定が予定され、また、車載型の排ガス分析装置への対応準備も予定されており、妥当な計画だと判断される。
  • 「研究成果の活用イメージ」が見える形にすると、第三者にわかりやすいように思う。とくに、受け身の現状把握に止まらず、大元である「自動車メーカーへの働きかけ」を積極的に行い、研究成果をアピールすることを期待する。
  • より分かりやすい報告書等の作成に努めていきたいと考えます。
  • 実走行での排出実態データが加わることは、さらに調査・研究の意義が大きくなり、期待が大きい。