東京都環境科学研究所

自主研究

 

 

今年度の研究テーマ

先行的研究

1 希少海草コアマモの保全に向けた生育場環境の実態調査【新規】 多摩川河口域に成立しているコアマモ場は東京都内で唯一、自生が確認されている藻場です。本種は神奈川県では絶滅危惧Ⅰ類、千葉県では絶滅危惧Ⅱ類に分類されています。本研究では、多摩川河口のコアマモ場の水質、微地形、藻場内の有機物形態の特性やコアマモの遺伝的特性等を湾内の他のコアマモ場と比較しながら整理し、保全の方向性を示すことを最終的な目標とします。【2020-2022】
2 東京湾に流入するマイクロプラスチックの実態調査 マイクロプラスチックによる海洋汚染が社会的関心を集めていますが、陸域から海域への流入経路となる河川や下水処理水放流水に関する基礎的な実態調査がなされた事例は少なく、調査手法も確立されていません。本研究では、埼玉県と連携し、東京湾へ流入する代表的な河川である荒川における縦断的なマイクロプラスチックの分布と下水処理水放流水の影響の実態把握を目指します。【2019-2020】
3 溶存有機物を活用した新たな環境水モニタリング手法の検討【新規】 環境水中のモニタリング指標として、溶存有機物(腐植物質やたんぱく質等)の有効性を検討します。具体的には、地下水の溶存有機物の特性を調査し、それらを帯水層ごとに分類することで、地下水流動の解明に有用であるか評価します。また、河川の大腸菌群数に対する土壌や下水の影響把握において、溶存有機物の有用性を検討します。【2020-2022】
4 地下水位の変化を用いた地盤沈下の判定手法の開発【新規】 帯水層からの揚水に伴う難透水層の地盤沈下現象において、難透水層が弾性変形から塑性変形に向かう中で、地下水位低下のパターンに特異性が現れるかどうかを実験的に検討します。特異性が現れれば、地下水位のみのモニタリングにより、地盤沈下の有無が判断できることになります。【2020-2021】
5 都市緑地の生態系サービス・便益評価システムの研究 緑化の費用対効果を分かりやすく示すことで、緑化推進の政策的根拠とすると同時に市民理解の醸成を図ることを目的とします。米国農務省が開発したシステムをベースに、緑の多様な機能(CO2固定、省エネ、大気浄化、雨水流出抑制、暑熱緩和、生態系保全、景観向上)による社会的便益を定量的に評価するシステムを構築します。【2019-2021】
6 気候変動適応策導入手法の実証と統合過程におけるコミュニケーション手法の研究 個別の気候変動適応策は相互に関連するため、導入に際しては各施策の統合が必要です。これまでの研究で提案した効率的統合を含む適応策導入手法を都内自治体職員によるワークショップで実践し、その実行性の検証とブラッシュアップを図ります。また、今までの研究で統合過程における組織間・市民コミュニケーションの重要性が判明したため、これらについてさらに調査します。【2019-2021】
7 二枚貝を用いた東京湾沿岸の有害物質汚染調査および調査手法の高度化に関する研究【新規】 半閉鎖水域の東京湾沿岸には人口・産業が集中し、微量有害物質汚染の顕在化・長期化が懸念されます。そのため、本研究では、二枚貝を用いたモニタリング調査を実施します。また、環境試料タイムカプセルとして、二枚貝保存試料を作成します。さらに、二枚貝の成育特性や有害物質蓄積特性等の性質の把握を試み、本調査手法の高度化を図ります。【2020-2022】
8 自然変動電源と電力需要とのマッチングへの適応フィルタの応用 気象条件により出力が変動する自然変動電源を大量に導入するためには、自然変動電源の近くで電力供給と需要とのマッチングを取る必要があります。本研究では、自然変動電源の1つである太陽光発電の小刻みな変動成分の平準化と電力需要とのマッチングを同時に実現するために、適応フィルタを用いて電力貯蔵装置(蓄電池と水素蓄電)を制御する需給マッチング回路を提案します。そして、数値シミュレーションと実験システムを用いた実証実験により評価します。【2018-2020】
萌芽研究

1 多摩川の上・中・下流域における外来種ミズワタ珪藻の生息環境に関する実態調査 近年、日本の各地で生息が確認されている外来種珪藻のミズワタクチビルケイソウについて、 2019年度に多摩川水系上流域を中心に分布調査を実施しました。その結果、上流域では繁茂が見られましたが、下流域では繁茂していませんでした。本調査では、水温等の生息環境と繁茂状況についてさらに詳細な調査を実施し、今後中下流域へ当該種が生息分布を拡大する可能性について検討します。
2 ICP-MSによる多摩川水系の微量元素の実態把握 多摩川における微量金属元素類等(微量元素)の実態を把握するため、ICP-MSによる低濃度域の分析条件を検討し、多元素同時分析を試みます。得られたデータは、測定項目の変更等を検討する際の基礎資料とします。また、微量元素が流域における環境汚染の指標となり得るか検証します。
3 微小粒子状物質(PM2.5)の微量無機成分に関する研究 PM2.5は粒径が2.5μm以下と小さいため、一般的に肺の奥深くまで到達すると言われています。PM2.5中の無機元素成分については、発生源寄与解析として測定されたデータは存在するものの、人への健康影響のリスク評価は十分に為されていません。そこで、都環研屋上で採取したPM2.5試料についてICP-MSによる多元素同時分析を行い、得られたデータを既存の大気汚染物質調査等のデータと比較し、リスク評価手法の検討を行います。

○先行的研究・・・将来的に重要性が高くなると思われるものの、研究受託に至っていない課題について、先行的に研究を行い、研究成果をもとに、委託研究や公募研究の獲得が期待できるもの
○萌芽研究・・・現在は重要性が顕在化していない環境テーマについて、独創的なアイデアにより知見の集積を行い、研究成果により、将来の研究に発展させる可能性を有するもの(研究期間:1年)
○事業化支援研究・・・公社事業の展開・充実に資する実践的研究を行い、公社における技術分野の人材育成も期待できるもの

過去の研究テーマ

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