東京都環境科学研究所

所長挨拶

東京都環境科学研究所長 今村 隆史

 私たちを取り巻く環境問題は、東京都環境科学研究所の前身である東京都公害研究所(1968年設立)や東京都清掃研究所(1960年設立)が設立され、活動していたころのいわゆる公害問題やごみ問題から大きく異なっており、ますます複雑化・多様化しています。この様な私たちが直面する身近な環境から地球規模の環境変化の問題に対する取り組みでは、科学的な知見・根拠の取得や確かな科学的情報の発信の重要性が増しています。

 東京都は世界有数の大消費地としての顔を持ち、一方では、世界遺産である小笠原諸島をはじめとした島嶼部や国立・国定公園をはじめとする自然公園が存在する多摩地域を抱えており、様々な視点から環境問題に向き合う必要があります。私たち東京都環境科学研究所は、その様な東京都における唯一の地方環境研究所であり、調査研究を通した都の環境行政への貢献と都民への科学的情報の還元に積極的に取り組んでまいります。

 研究所が所属する東京都環境公社は、東京都の環境施策と関連のある環境事業を実施しています。このメリットを活かし、環境事業を展開する環境の現場を対象とした研究を更に展開したいと考えています。また研究所には気候変動適応センターも設置されています。気候変動に対する対応策、適応策に関わる研究の実施と適応センターと協働した環境教育・情報発信にも努めてまいります。

 変化し続ける東京都の環境問題に係る調査研究を行っていく上では、大学を始めとする研究機関との連携は言うまでもなく、市民団体・市民グループとも積極的な協働関係を築いていくことが必要と考えています。また皆様からの素朴な疑問やご要望は私たちの取り組みの大切なヒントになると考えています。皆様方のご理解とご協力をどうぞ宜しくお願い申し上げます。