東京都環境科学研究所

有害化学物質の分析法・環境実態の解明及びリスク対策に関する研究(2017-2019年度)

 

平成31年度外部研究評価委員会 継続研究の中間・事前評価

研究テーマ
有害化学物質の分析法・環境実態の解明及びリスク対策に関する研究
研究期間 2017~2019年度
研究目的 都民や都内に生息する生物への有害な影響を及ぼす可能性を視点に、優先度の高い化学物質を明らかにして、その排出源等を調査するとともに都内におけるリスクの解明、ひいてはその削減に関する手法について提言を進める。
研究内容
  • (1)都内環境実態の継続監視(環境省受託事業の化学物質環境実態調査含む)
    都内定点におけるPRTR法や化審法対象物質、POPs等(ダイオキシン含む)の環境残留状況調査
  • (2)都内要調査物質の環境実態解明及びリスク評価
    都内において優先的に調査対象とすべき化学物質に対して、実態調査を継続、データを解析しリスクの評価を行う。さらに排出源周辺におけるリスクの極小化のための検討を行う。
2018中間評価 A 2名、B 4名
評価コメント及び対応
  • この種の環境分析は継続して行い、環境汚染の状況を時系列的に把握することが重要である。
  • 可能であれば新たな汚染物質を見出すという努力を期待する。
  • 都内河川および東京都内大気中におえる有害化学物質の実態調査を行い、リスク評価に関する有益な知見が得られており、着実に研究が遂行されていると思われる。学会発表等の成果公表も積極的に行われていると評価される。
 
  • 大気調査結果と大気拡散モデルの計算結果については若干の不一致がみられるようであり、予測精度向上に資する解析が望まれる。
  • 今回使用した拡散モデルは、建物の密集した地域における予測精度に課題を残していました。この課題に対処する方法として、建物の密集により発生する、より複雑な気流も予測できるモデルも活用し、状況に応じてモデルを使い分けることを検討します。
 
  • 河川水、下水処理水、地下水への有害化学物質の汚染状況を調査し、いずれもリスクが低いことを明らかにするとともに、積極的に外部発表を行っている点は評価できる。
 
  • 大気拡散の推定については、誤差の極めて大きい地点もあって改善の余地がないのかの説明もお願いしたい。
  • 今回使用した拡散モデルは、建物の密集した地域における予測精度に課題を残していました。この課題に対処する方法として、建物の密集により発生する、より複雑な気流も予測できるモデルも活用し、状況に応じてモデルを使い分けることを検討します。
 
  • 隅田川河口、荒川河口等において、化学物質環境実態調査を継続調査し、一定の成果を得たことは評価できる。
  • 都内河川のネオニコチノイド系農薬濃度を温暖期と寒冷期に測定、いずれも水生生物への影響が出ないレベルであった。また、リン酸エステル系難燃剤は下水処理場の一般的な処理(オゾン処理を含まない)でも、水生生物に影響のない低濃度まで処理できることがわかった。継続的なモニタリング調査の実施は評価できる。
    大気については、3年間の実測データと大気拡散モデルを用いた推測値の比較を行い、大気拡散モデルの有効性が確認できたことは評価できる。
  • 継続的なデータ蓄積は、化学物質に関する行政施策の基本となるものであるので、今後も実施してほしい。
  • 化学物質による汚染は被害が出てからの後追い調査になっては駄目で、常にターゲットを洗い出し、経過を把握しておくことが重要で、それがここで的確に行われていることは都民にとって心強いことである。
2019事前評価 A 1名、B 5名
評価コメント及び対応
  • 前年度からの継続的な研究であり、研究手段、実施体制等は適切であると思われる。
  • 最終年度であるので、3年間の成果を包括した形で研究成果をまとめられることを期待する。
  • 定点観測とともに、事業場近傍、排出源近傍に絞った調査が計画されており、前年度より明確で有効なリスク評価が期待できると思われる。
  • 都内環境実態の継続監視は重要であり、評価できる。
  • 研究成果の査読付き学術誌への積極的な投稿を期待したい。
  • 継続的なデータ蓄積は、化学物質に関する行政施策の基本であり、評価できる。
 
  • 2018年度の主要な研究結果②に、「一部には詳細な評価を行う候補や情報収集に務める必要があると考えられる物質も存在していた」とあるが、これらの物質についての具体的な計画はあるのか。
  • 具体的な計画については、環境局とも協議して検討したいと考えています。
 
  • 実態の継続監視、要調査物質を選んでの実態解明と評価の両面で地道な探求が続くようだが、年々の結果と進展が注目される。