
資源循環
日本では、循環型社会形成推進基本計画の下、循環経済への移行を国家戦略として推進しています。東京都においても、持続可能な資源利用に向けて一般廃棄物のリサイクル率の向上などを主要政策として位置づけています。資源循環チームはこの施策の実現に向けて、東京都と連携し、廃プラスチックやバイオマス資源の循環に関する研究を進めています。
主要研究課題
1.プラスチックの資源循環に関する研究
廃プラスチックのうち、PETボトルは比較的リサイクルが進んでいますが、製品や容器包装プラスチックについては喫緊の課題となっています。廃プラスチックの廃棄状況や素材を把握することは、選別方法やリサイクル技術を進める上で重要な調査です。本研究では、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルを進める上で、難しいと言われている複合化されたプラスチックの樹脂組成などについて、ごみ組成調査や樹脂組成分析を行っています。



2.バイオマス資源の循環利用に関する研究
清掃工場で焼却されているごみのうち、2割は生ごみなどバイオマス系廃棄物ですが、飼料化、肥料化、堆肥化などによるリサイクルは、都市部においては臭気や需要などの問題で進んでいません。そこで、本研究では、都市部のバイオマス系資源の循環について、焼却に頼らないリサイクル技術調査の導入に向けた調査を行い、リサイクル技術導入による環境負荷低減の効果検証などを行っています。その上で、施設整備及び再生品供給に関する集約化、広域化などの社会システムの最適化に向けた研究を行っています。


技術支援
1.ごみ質組成分析に関する実務研修
資源循環チームでは、都及び区市町村の職員を対象として、ごみ質組成調査の実務研修を実施しています。ごみ質組成調査は、埋立処分、焼却施設の適正な運用や廃棄物処理、リサイクル計画などの行政施策立案に重要な基礎調査です。この研修では、実際に模擬ごみを用いて、スコップを使ってのかき混ぜ、分別、計量作業などを体験します。廃棄物に関わる職員がごみ質組成調査の実務を理解し、今後の業務に生かしていくことを目的としています。

