東京都環境科学研究所

評価結果 H30-1-3

平成30年度外部研究評価委員会 終了研究の事後評価結果

研究テーマ
自動車環境対策の総合的な取組に関する研究
研究期間 平成27年度~平成29年度
研究目的 (1)自動車排出ガス規制強化の実効性評価等
・規制物質の排出低減効果の検証、排出係数算定の資料作成
・VOC、N2O等の未規制物質の排出実態の把握
・排出ガス低減技術の評価
・次期排出ガス規制と現行規制との関係性の評価
(2)次世代自動車等の排出ガス等の実態把握
・ハイブリッド車等、最新技術を用いた次世代自動車等の特性及び環境性能の把握
研究内容
  • (1) 自動車排出ガス規制強化の実効性評価等
  • (2) 次世代低公害車等の排出ガス等の実態把握
事後評価 A2名、B4名
評価コメント及び対応
  • 継続的に有用なデータを取得している。
  • 自動車排ガス規制検討の基盤データとして継続的に分析が実施され、実使用環境下でのNOxやPMの排出傾向が明らかになっている。また、研究成果が積極的に外部発表されている。
  • 継続的に重量車、乗用車のNOxやPM排出実態についてデータを集積したことは評価される。
  • 大型車については最新排ガス規制適合車であっても、使用中に耐久走行距離内であってもNOx排出量が認定基準を超えることがわかったが、認証試験はエンジンダイナモメータによる測定とあり、本測定方法が車両走行の実態とは乖離していることが示唆され、興味深い。
  • 首都行政と密接に連携した自主的調査研究として、国あるいは企業とは独立して長期継続的に、自動車技術の時代的変遷にも追随しながら実施されているテーマであり、大きな価値がある。
    成果の公表も適切に行われているが、都民啓発などの機会ももっとあればよいと感じる。
  • 自動車排出ガスの実態調査を継続的に実施され、使用過程車のNOxおよびPM排出特性に関するデータを取得されていることは有意義であると評価される。調査車両の情報等が示されれば、より深い考察が可能であると思われる。
  • メーカーや車種毎等でのデータ整理を行い、考察を行っていきたいと思います。
  • 研究結果を単に学会に発表するだけでなく、行政やメーカーにこれまで以上に周知することを考えてほしい。
  • 東京都やメーカーへ排出ガス測定結果の提示をしていますが、工夫しさらに分かりやすい資料作成を行っていきたいと思います。
  • 本研究で得られた知見をどのように活用されるのかが若干曖昧であり、本研究成果を有効活用する施策を検討して頂きたい。
  • 本研究結果はNOx・PM法の定める総量削減計画策定のための自動車からの汚染物質排出量の基礎データであり、都がこの計画に基づいて削減目標量を算出して対策を講じるためのベースデータとして活用されることが最も大きな目的となっています。それ以外にも様々な施策検討の場での活用も期待できるので、今後も都と協議しながら活用方法を模索していきます。
  • 測定結果にばらつきが大きい特性もあり、母数の少なさを補足する分析もあれば、結果への信頼性が高まるように思う。
  • 車両の使用状態等それぞれ異なるため測定結果にばらつきがありますが、メーカーや車種、諸元等の違いが測定値の差異を系統的に説明できないか今後検討していきたいと思います。
  • 予算や検査施設等の制約で調査車両が少ないために、調査結果のバラつきが大きいように思われるので、使用する車両の代表性に関する検討を望みたい。
  • 車両の使用状態等それぞれ異なるため測定結果にばらつきがありますが、メーカーや車種、諸元等の違いが測定値の差異を系統的に説明できないか今後検討していきたいと思います。
  • HV車のデータが示されていれば、さらによかった。
  • HV車の測定も行っておりますが、今回の報告では時間の都合上データをまとめてしまいました。工夫しさらに分かりやすい資料作成を行っていきたいと思います。