東京都環境科学研究所

都市部における生ごみなどバイオマス系資源の焼却に頼らない循環利用に関する研究(2025-2027年度)

令和7年度外部研究評価委員会 新規研究の事前評価

研究テーマ
都市部における生ごみなどバイオマス系資源の焼却に頼らない循環利用に関する研究【新規】
研究期間 令和7~9年度
研究目的 清掃工場搬入ごみのうち、2割は生ごみなどバイオマス系廃棄物であるが、飼料化、肥料化、堆肥化などによるリサイクルは、都市部においては臭気や需要などの問題があり、進んでいない。このことから、本研究は、今後の都市部におけるバイオマス系資源の循環利用のあり方を検討することを目的とする。
研究内容
  • 本研究では、都市部のバイオマス系資源の循環について調査を行い、都施策に寄与する情報提供を行うとともに、マテリアルフローの作成と環境負荷把握に必要となる分析などの調査研究を行う。
  • (1)都市部において導入可能なバイオマス系廃棄物の処理・リサイクル技術の調査
  • (2)リサイクル技術導入による環境負荷低減など効果検証、シミュレーションの実施
  • (3)施設整備及び再生品供給に関する集約化、広域化などの社会システムの最適化について、マテリアルフロー分析などによる検証
事前評価 A:優れている      1
B:普通         4
C:やや劣っている
D:劣っている
評価コメント及び対応
  • バイオマス系資源の循環利用は重要であり、これまでも化学工学関係の研究の蓄積が多くあると思いますので参考にしてください。実装のためには、分別の手間、堆肥などの利活用方法、コストの問題があると思いますので、各種課題を解決されることを期待します。またメタン発酵でメタンをエネルギー源として燃焼させるとCO2発生になるので、「焼却に頼らない」という前提を広く考えてください。
  • 国環研では循環部門の河井さんが、鹿児島県大崎町での分別の研究支援を行っています。埋め立てを減らすため、住民の努力でかなり細かく分別しています。住民が分別する際の負荷についての参考になればと思います。
  • 都市部におけるバイオマス系の利用は重要な課題と認識されており、本研究の意義と目的は大きいものと思われます。具体的な計画策定はこれから行われるもの思われますが、全体計画としては適切であると思われます。
  • 焼却による熱利用等も含め、CO2削減効果が最適となる社会システムの提言がなされることを期待したします。ガソリンにエタノールを20%混合させることも検討されているようなので、都市部でのエタノール供給の可能性についても興味深いと思われます。
  • 研究実施前ではありますが、具体的な対象都市の提示や、これまでの同様の分析で取り上げられてきた技術リストの提示など、研究を始めるにあたって収集した情報は整理されても良いのではないかと思います。
  • どのような観点で評価するのか、項目だけでも示して頂きたかったです。
    また、収集したごみの組成によっても対策などは変わってくると思いますが、前提条件などもあらかじめ示して頂きたいと思います。
    この分野において、ある程度の研究実績があると思いますので、既存研究と比較して異なる点なども明らかにしていただければ、期待される成果も共有されるのではないかと思います。
  • 広域化といった文言が研究内容に記載されており、どのような観点で最適化を図る予定なのか説明して下さい。単なる技術論的な研究でもないと理解していますが、全体像が把握できるような記述をお願いします。
  • 生ごみの処理に対して、都市に特有な背景に基づいて課題設定されている点は良いと思います。
  • 【質問】バイオマス廃棄物の循環利用において、本命として想定しているものは何でしょうか?
  • 【回答】生ごみ、厨芥類です。
  • 収集・分類方法との関係も含めて、最適な利用法帆を検討してください。
  • 都の一般廃棄物再生利用率目標達成にむけ、都市部における導入可能技術の調査をする研究であり、意義がある。
  • バイオマス系廃棄物の処理・リサイクル技術においては原料となる廃棄物の分別・収集が重要ですが、都の清掃工場に搬入後に分別するのは非効率的なため、排出元(飲食店など)での分別収集を徹底させる必要があると思われます。