東京都環境科学研究所

都有施設のゼロエミッションビル化に向けた調査研究(2023-2025年度)

令和8年度外部研究評価委員会 終了研究の事後評価

研究テーマ
都有施設のゼロエミッションビル化に向けた調査研究【終了】
研究期間 令和5~7年度
研究目的 都有施設におけるエネルギー消費構造を詳細に調査した上で、消費構造に応じた対策を講じた場合に想定されるCO₂排出削減効果及び中長期的な電力消費量の変動を推計すると共に、脱炭素化の実現が困難とされる用途の特定・整理を目的とする。
研究内容
  • 本研究では、知事部局、教育庁、警視庁、東京消防庁、議会局、各行政委員会事務局及び東京都職員共済組合の所管する建築物を対象とする。研究の実施に当たり、必要に応じて主要施設等へのヒアリングを行う。
  • (1)脱炭素対策効果の推計
  • (2)中長期的な課題及び対策の整理
  • (3)既存施設のZEB化に関する調査
事後評価 A:優れている    3
B:普通       3
C:やや劣っている  
D:劣っている    
評価コメント及び対応
  • バランス重視型が良いと思います。電化促進の場合、必要な電気をどこから調達するか(都内から調達可能か)も検討された方が良いと思いました。
  • ゼロエミッションビル実装化のための対策抽出を行っている。結果としては2030までに電化することがCO₂を減らす鍵であり、そのために電力需要が上がるため、再エネ発電開発が重要とされている。しかしながらグリーン水素は再エネを使用して作られる。電化によるCO2削減が有効ならば、水素利用ではなく、再エネ電気を直接利用する方が合理的ではないかという疑問が残る。
  • 合成燃料とは、再エネからの水素、さらにe-メタンのようなメタネーションであるが、本研究においてはそのメタネーションにかかるエネルギーなどが考慮されていない。結論としては再エネ開発であるが、であれば水素にせず、再エネをそのまま発電に使用する方が効率的と考えられる。大阪万博でもCCUなどの実演があったが、そのメタネーションにどの程度エネルギーを使用しているかのバランスも公表してもらいたかった。本研究では、水素の実質的な環境影響評価を行っていただきたい。
  • エネルギー消費の流れ、特にエネルギー、エネルギー技術、エネルギーサービスという構造的な把握が有効であることが理解できた。
  • 電化を促進すれば、東京都内とは限らないものの、電力の生産を増やすことにつながり、再生エネルギーを導入する際にも、資源が必要なので、エネルギー消費そのものを削減する研究も必要ではないでしょうか。それは、民間に委ねることもできそうですが。
  • 【質問】東京都における都有施設の規模は、2050年も現状と同じでしょうか。技術的な削減の可能性については十分に検討、考察されていますが、費用面についての考察についても言及して頂きたかったです(技術選択モデルなので、費用についても計算結果はあると認識しています)。分析の結果、2050年にゼロは到達できているのでしょうか。供給側についても再エネ(電力の排出係数の低減)についての言及がありますが、一体的な取り組みに向けた課題も示されるといいのではないかと思います。
  • 【回答】本分析では、都有施設の規模は2050年時点においても現状と同一であると仮定しています。今後は、都内人口予測等を踏まえた施設規模の精緻化が課題であると考えています。費用面につきましては、今後、分析結果を提示する際に、言及できるよう検討いたします。分析の結果、合成燃料の利用に伴う排出をゼロとみなす場合には、2050年の排出はゼロになるとの結果が得られています。ただし、その実現にあたっては、合成燃料の確保やコスト面に関する課題があり、更なる分析が必要です。また、排出ゼロ達成には需要側の対策に加え、供給側の取組を一体的に進める必要があると考えておりますので、検討を進めていきたいと思います。
  • 排出係数削減だけではなく、エネルギー需要側の対策についても検討してほしいと期待します。エネルギー需要そのものも変化することが予想されるので、その点も考慮出来るとよいと感じました。
  • 施設の特性に応じた電化の可能性を分析し、研究計画に沿って成果が示されています。実装方針の整備への展開が期待されます。